愛、藍、遭い、逢い、哀。 ページ14
皆が就寝した頃、一人の男が縁側を独りでに歩いていた。
暗い夜の中でも、男の藤色の瞳は煌煌と光り、その瞳を形容するならば獣、野獣、と比喩するのが妥当だろう。
男________へし切長谷部は、この本丸内でも極度の人間嫌いだった。
本来の長谷部ならば、主である審神者に度が過ぎる程の忠誠を誓う刀剣男士だが、この長谷部は違った。
主の言葉を断れないのをいいように利用され、酷い労働をさせられた。
“主命とあらば。”
こんな言葉吐きたくないのに、
憎い憎い人間なんかのために吐きたくない。
長谷部が壊れる寸前、童子切は美しく妖艶な顔を酷く傷だらけの躰で長谷部を優しく抱き締めた。
童子切は典型的な利他主義者だった。
『こんなになるまで働かせてごめん。本当にごめんなさい。
否、ごめんなさいなんて言葉じゃあ易々と終われないよね。
もう二度と喋りたくない言葉を喋らなくていいんだよ。辛かったろう?
君は優しすぎるから、泣かないから、ずっと独りで溜め込んでいるだろう?
僕も一緒に背負うよ。』
その時からだった。童子切に溺れていったのは。
背後の紅い月に照らされた童子切の優しい顔。
あたたかい体温。
あの時から童子切は長谷部にとって女神のような相手だった。
不揃いの前髪、ふんわりとした癖がついた絹のように滑らかな髪、元気にはねた二本のアホ毛。
それらから漂う甘い草花の香り。
全てを思い出すと同時に閉じ込めていた愛しさが溢れかえる。
長谷部は歩いていた足を速め、走って童子切の部屋へ行った。
静かに中へ入ると、求めるように童子切を抱き締めた。
しかし童子切は抱き締め返すことも頭を撫でることもせずただ瞼を固く閉じ、眠っている。
長谷部は何かが切れたように童子切の艶のある妖しい唇に荒々しい接吻をした。
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童子切君の髪型の詳細→・肩につくかつかないか位の毛先が少し癖付いたふわっさらの髪。
・右が黒、左が白でどっちも毛先がほんのり群青色。
・活撃審神者のような二本のアホ毛。
・前髪はハニワの勇次郎を少し伸ばした感じ。でも左の横髪は鎖骨上。
・マギのティトスのような三つ編み
イメ画ァ|ω・)ヒョッコリハン
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欝魏 - とても素敵な作品です。 (2020年4月24日 22時) (レス) id: 9689208d3b (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 影さん» はい、その曲をイメージして書きました。良いですよねボカロ。 (2018年10月6日 18時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
影(プロフ) - だれかのの心臓になれたならを思い出した!ボカロはやっぱいいね (2018年10月6日 14時) (レス) id: 026253e74c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 匿名希望さん» あたちはあいちてゆ(ドヤァ) (2018年9月30日 11時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 好きです(唐突) (2018年9月30日 2時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アヤ | 作成日時:2018年9月6日 18時