二人が一緒に歩く方法【YG】 (ページ21)

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TH-5 ページ21

「俺が、そのスパイをしますから、カトクを教えてください」

Aさんは、目を大きく開けて、それからまるで新種の生き物みてるみたいな顔をして、しげしげ俺を見つめた。

『なんでそんなことしてくれるの？』

「Aさんに、ユンギヒョンを諦めて欲しくないから」

ユンギヒョンの心が、しぼんで行くのを見てられないから。

『…ユンギのために、私の味方になってくれるの？』

Aさんは、何度かまばたきをして、それから少し思案顔で、顎に手を当てると、その指でトントンと頬を叩いた。

「なります。Aさんと、ユンギヒョンが結婚するまでが、ミッションです」

とたん、ケタケタケタ、と固いものが転がってるみたいなかわいい音がして、Aさんが爆笑した。

『テヒョンさん、あなた、すごく面白いですね』

「ヌナって呼んでも、良いですか？」

『わあ、ときめいた。そのお願い顔、狙ったの？天然？』

「営業用です」

『素直かよ、いいよ。ヌナで。私もテヒョンアて呼んでもいい？』

「もちろん、そうして下さい」

ヌナは、あっさり俺を受け入れて、提案を受け入れた。

それって、つまり、そう言うこと。

Aさんだって、ホントはヒョンと一緒にいたい。

この放流のような熱が過ぎ去って、

ゆっくり週末を過ごせるようになるまでの間、

俺がカトクを送るだけで、

二人の思いが色あせることなく続くなら。

それは、なんとしてでもやるべきことなんだと思ったんだ。

『ところでテヒョンア』

「はい、ヌナ」

『呼び方はキューピットとかでも良かったんじゃないの？何でスパイ？』

「あ、それは俺のモチベーションの問題なんで」

そう答えると、ヌナはまたケタケタと笑って

『私、テヒョンアの事が好きになっちゃったよ』

そう言ったので、俺は、嬉しくなって笑ってしまった。

女の子からそんな色のない告白されたの、ほんと久しぶりだったから。