地上の楽園 -に- 【JK】 (ページ47)

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その日は、それで過ぎ去った。

一週間は、何もなかった。

二週間目にそれはやってきた。

大道具の倉庫に。

JK「アンニョンハセヨー」

『…アンニョンハセヨ…』

だぼっとしたオーバーサイズのパーカーに、これもまただぼっとしたパンツスタイルのジョングクさんは、ちょっと見ると、どこのコンビニにでもいる男の子みたいな感じで現れた。

顔を、見なければ、だけど。

そして、私はこんなところで会うと思ってなかったもんだから、反射的に挨拶した後驚きすぎて凍りつき、馬鹿みたいに目を見開いて見つめてしまった。

JK「今日も風邪？」

私の声を聞いて、ジョングクさんは、ふ、と鼻で笑いながら、また私に問いかける。

自分で聞いておきながら、風邪なんかじゃないでしょと決めつけるような態度に、私の背中はすでに汗びっしょりだ。

『……あまり、近付かない方がいいですよ』

うつるから、と私は嘘を貫いて、ジョングクさんと距離をとった。

セジンさんは問題ないって言ってたけど、私はクビ問題に関しては全然安心していなかった。

それに、ジョングクさんがどういうつもりで私に近寄ってきてるのか、理解できないから、単純にこわい。

ただ一つ言えるのは、セジンさんはジョングクさんのこの行動を止めるつもりがなくて、私の存在をこの人に隠すつもりが無いってこと。

どうしてそんなことになったのか、それも理解できてない。

きっと

この人は8割くらい、私が誰だかわかっている。

それを確信に変えたくて、

ここに来たんだろうということくらい、

私にだってわかる。