地上の楽園 -に- 【JK】 (ページ30)

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私は、睡眠不足と疲労で頭が回らない、なんて言ってられない状況に、思わず広いフロアをウロウロと歩いてしまった。

ぼんやりしていた頭がフル回転で回るのを感じつつ、何を伝えるのが正解かを慎重に考える。

セジンさんは私の沈黙を急かさずに、黙って話すのを待ってくれている。

ふと、電話の向こうの気配を伺えば、性能の良いマイクが、ささやかではあるが確かに、セジンさん以外の人がそこにいるという気配を伝えていた。

背中に冷たい汗が流れて止まらない。

その人が、
そこにいる。

きっと。

いや、確実に。

私は、大きく息を吸うと、ゆっくりと話し始めた。

『まず、誤解がないようにお伝えします。昨夜の…行為は、全て合意の上でのことです』

私が何かしらの行動で、会社に被害を与えるのではと疑っているんだろうと。

それと、合意がない行為だったのではと疑っているんだろうと思い、第一にそれは否定した。

電話の向こうで、セジンさんじゃない、誰かが息を飲んだ気がした。

『私の流血に関しては…まあ、その。…初体験でしたので』

告げた途端、電話の向こうで、わっと湧くような気配がした。

ですよね。

こんな話、聞かされたらびっくりしますよね。