地上の楽園 -に- 【JK】 (ページ29)

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S「…実は、あなたと一緒にいた男性が、あなたのことを心配しています」

その言葉に、ひいていた血の気が一気に沸騰したような気がした。

ぶわ、
と全身の毛が逆立った。

そして、昨日どうして気付かなかったのか。

エレベーター、

間違えたフロア、

サセンを疑われたこと。

それから、特徴的な笑い声。

今ならわかる。

あれは、ソクジンさんじゃない？

ということは。

あ。

これ、私やらかしてる。

私が昨日一緒にいたのは、

メンバーの誰か、だ。

そしてそれを、セジンさんは全部知ってると、瞬間的に悟った。

社内のトラブルとはいえ、なぜBTSのマネージャーであるセジンさんが、下請けで自社のスタッフではない私に電話をしているのかを。

S「会社の名誉を守るための事実確認じゃありません」

はっきりと告げるセジンさんは、私の今の状況を聞くことに躊躇いは感じなかった。

S「Aさん、あなたは…昨夜一緒にいた男性に、傷つけられてはいませんか？」

この電話は、私の安否を気遣っているが、本当はそうじゃない。

セジンさんは、

私が昨日一晩過ごした、

セジンさんの大切な誰かを、

守ろうとしている。