地上の楽園 -に- 【JK】 (ページ24)

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結局、お互い名乗らなかったし、照明をつけなかったから、顔もわからない。

後半は正直、ずっと眠たかったのと、あれやこれやがすごかったことしか記憶にないから、ひょっとしたら教えてもらったかもしれないけれど、覚えていない。

じわじわっと顔がまた熱くなって、私はそんな自分をごまかすように、アリンとの会話に集中しようとスマホの操作をする指の動きを早くした。

《それで、多分、その人まだ部屋にいるんだけど、アリン荷物大丈夫かな。あ、荷物を漁るような治安の悪そうな人じゃ無いから！》

…たぶん。

あの育ちの良い感じなら、本当に大丈夫だと思う。

AR《いいよー！元々、ギリギリに戻るつもりだったし、もしまだいたら、挨拶しちゃおw》

《…えっ、いや、あっ。もし会っちゃったら、ごめん！そこまで考えてなかった…》

一気に青ざめる。

AR《あっ、うそうそ冗談！気まずいよね。大丈夫！フロントに電話してもらって、部屋に誰もいないの確認してから戻るから》

《アリンまじ、経験値がすごい》

アリンのライフハックに舌をまきつつ、ふと考える。

あの人は、

私がいなくなったこと、
怒ったりするだろうか。

私とまた、

会いたいと、

思ってくれたりするだろうか。