地上の楽園 -に- 【JK】 (ページ15)

今日:6 hit、昨日:48 hit、合計:166,878 hit

60 ページ15

カードキーの無機質な音が響いて、ドアが開いた。

オートで着光する間接照明を頼りにベッドにたどり着いたのか、やや乱暴にベットに降ろされた。

「俺もう行くけど、ホテルの人呼びましょうか？」

そう言ってやさしく肩をゆすられたが、頭が揺らされて気持ち悪い。

私は酔ったせいでやたら重たい自分の腕をようやっと持ち上げて、揺らすのをやめさせるために、肩を掴むその人の手に触れた。

その時。

初めてその人の肌に触れたんだと、触れてから気付いた。

その人は、得体の知れない人間との接触は最小限にしたかったのだろう。

細心の注意を払って、直接触れないようにしていたのに。

迂闊な私が、
彼のその配慮を無駄にした結果が、
こうなるとわかってたら。

触れたりなんかしなかった。