地上の楽園 -に- 【JK】 (ページ42)

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私は慌て破損がないか確認して、青ざめる。

やっぱり、一箇所枝が折れていた。

「あー！…ああ…すみません。俺が急に声を掛けたから…」

失敗の自責でため息を吐きそうになったのをぐっと堪えて、もう一度振り返ると。

そこには、

キム・テヒョンさんが立っていた。

ライブの設営をしていた時では考えられない距離に、体が反射的に驚いてしまった。

あの時は見れて、そでから、もしくは彼が宙吊りの下からだったから、そのお顔の破壊力を間近で浴びてしまって、私はとっさに目をそらし、うろうろとテヒョンさんの首元を見つめた。

TH「すみません、セットのラフを見て、撮影前に見たくなっちゃって」

わあ、
話しかけられてるし。

ぽっきり折れた枝を見て、申し訳なさそうに頭を掻くテヒョンさんに、私は慌てて手を振った。

『いえ！私が勝手に驚いて、壊しただけです。テヒョンさんは悪くありません。グルーですぐに直せますから、少しだけ待っててもらえますか？』

見回すと、私以外はセットから引いて、帰り支度をしているところだった。

ライブの設営の時の癖で、最終点検を念入りにしすぎてしまっていたようだ…あんなに、遭遇したくないと思ってたのに。

墓穴ほった。

駄目じゃん、私。

しかもセット壊した。

墓穴、すっごい深いじゃん。

同僚が少し呆れ顔でこちらを見ているのを、ごめんなさい、と顔で謝って、それから申し訳ないと顔いっぱいに書いてあるテヒョンさんに向き直り、頭を下げてから説明する。

『もうセッティングは終っています。ここ、直したら出ますが、他は自由に見て回ってかまいませ…』

「あなた」

私が言い終わらないうちに、ぐ、とテヒョンさんの後ろからもう一本、手が伸びてきて、服の上から私の手首を掴んだ。

「その声」

私は驚いて捕まれた手を見る。

手に描かれた特徴的なタトゥーを確認して、その手の持ち主が、誰かわかった。

「風邪？」

ジョングクさんだ。