迎えに行くよ ページ30
しかしその後彼女からの返事が来ることはなかった。
僕のお裁縫針への執着心を見抜いた彼女はルァインアプリを消してしまっていたのだ。
元々は「お人」だったそのトーク画面。
「Unknown」と冷たく書かれたそこに指を滑らせる。
彼女との思い出。輝かしい日々。お裁縫針の存在を忘れた世界。
「うじゅ…じゅるる…びぇ…ん゛……っ」
僕は自らその美しい顔面を体液で濡らす。
柔らかい肌に汗で張り付いた髪、涙で潤う目。
お鼻の下は僕のお汁でいやらしく光っていた。
ゆるゆると空いたお口から唾液が絶え間なく流れ、鎖骨まで落ちてゆく。
僕はシュノゥを開いた。
この美しい顔面を彼女に見せつけたかった。
そしたらきっと戻ってきてくれるはずだ。
パシャっパシャシャシャシャシャシャシャシャシャ。
寂しい機械音が部屋に鳴り響く。あの日壁に突き刺したカッターが鈍く光る中僕は自撮りをした。
これできっと彼女に許してもらえるはず。
彼女に会うためにお薬をお買い上げする。
きっと彼女はいじけてしまってあの“白い世界”に帰ってしまっているだろう。
僕と付き合うことになってからお人は現世に受肉を果たした。
僕のことが大好きだからわざわざ僕の次元に合わせてくれたんだろう。
まったく、僕は色男だからね。お人は僕にお熱なのさ。
いつも僕に合わせてくれる彼女だ。たまには僕が合わせてあげないとね。
ふふふふ、いきなり行って驚かせてやろう♪
僕は胸のタカナリを感じながらブロンをひと瓶飲んだ。
☆.。.:*・°☆
あぁ、ここに来たのは久々だ。
暖かく、寒く、生ぬるい。あの時と変わらない感覚だ。
でもひとつ違うことがある。
昔は白すぎて何も見えなかったその世界に、少し色がついているのを感じていた。
僕がこっちに来すぎて慣れてしまったのだろうか。それともお人パワーで僕を導いているのだろうか。
まぁどっちでもいいや。
どうやらこの世界にも街があるらしい。
目の前には沢山のカフェーが広がっていた。
そのたくさんのカフェーの中から彼女が好きな色である、どどめ色の屋根の建物に入る。
からんころろろん。
「Coffeeひとつ。」
英検4級を持つ僕のネイティブな発音で素早く注文を済ませる。
ドヤ顔で店内を見渡すとそこに彼女はいた。
「お、おふぃと!」
ネイティブな発音が抜けきらない僕は彼女の名を呼び、勝手に隣に座った。
「なんでココに…!?」
驚いた顔をしたお人はスムァートホンを握りしめていた。
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メカゴジラ(プロフ) - ひながいいんだろ?さん» ひながいいです。 (2018年12月7日 18時) (レス) id: 1cd0b10313 (このIDを非表示/違反報告)
メカゴジラ(プロフ) - 森の神様は死にました。キャラ設定は拘りに拘ったので褒められるとすごくンコォ!!な気持ちになります┌(┌^o^)┐更新頑張りましゅ!応援ありがとうございますンコォ!! (2018年12月7日 18時) (レス) id: 1cd0b10313 (このIDを非表示/違反報告)
ノストラダムス(プロフ) - Lilyさん» 阿部浩二の良さを分かって頂いてうれちいでしゅ。阿部浩二は私たちの天使であり神キャラとなっております。ぜひこれからも本作品をよろしくお願いします┌(┌^o^)┐ (2018年12月7日 18時) (レス) id: a136e99598 (このIDを非表示/違反報告)
ひながいいんだろ? - 阿部浩二推せる。 (2018年12月4日 15時) (レス) id: d55c8353a9 (このIDを非表示/違反報告)
早苗 - 森の神様の行方がとても気になります!キャラ設定を見ても魅力しか感じない素晴らしい登場人物だと思いました!とっても大好きです〜〜!!!!更新楽しみにしてますぅ≡┏( ^o^)┛ (2018年12月4日 15時) (レス) id: 966ab2b35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノストラダムス x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年11月10日 22時