吸血鬼のいる町。vampire`s town.【歌い手】 (ページ8)

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story6:知りすぎたこと。ページ8

天月Side

僕はみんなが眠りについた時、書斎にいた。

どうも軍の人の名前が引っ掛かって。

僕はいかさんを疑っている。

名前の名付け親。しかもここ最近来たばかり。Aちゃんは別に関係ない。

"さかたん"も別に悪そうではない。

そうだ。元からいる人々(メンバー)が怪しいのだ。

そらる、噛まれているけど死んではいない。シュヴァリエ・ピュール・トラジェディー。意味を調べる必要がある。

まふまふ、「aftertherain」と言い、カラミテ・クリミネルと言い、怪しい。

あるふぁっきゅん。停電時あんなに叫ぶ必要があったかどうか。

性格として納得してはいけない気がする。

うらたぬき。無言ながら何かを隠している気がする。

96猫。僕に尋常じゃないぐらいの視線を浴びせている。

僕を怪しいとみているのか?

いかさん。怪しい大本命とみている。

あの人の行動を確認(チェック)する方がいいな。

やっぱり一応、あとから来た人も考えよう

A。なぜりりむと偽名を名乗った?

まふまふがあれは本名ではないと教えてくれたので怪しさがある。

さらに何も知らなさすぎるというのもある。これもあるふぁと同じ考えを持たなければ。

あほの坂田。狩人な割にはデリカシーがない。

あとAとも関係がありそうだな。まるで前から知っていたような。

うん。誰も怪しい。自分だって疑わないことはない。

無意識的な感じでなっているかもしれない。

「さぁ。」

僕はそっとフランス語辞典を開ける。

すると、影を察した。

僕は"影"に話しかけた。

「何をしている?」

"影"は言った。

「何って…君をね。君はもうすぐ死ぬんだよ。
君は知りすぎた。探りすぎた。そんな人を生かしちゃおけないからね。」

そうか…。

僕は"影"を吸血鬼だと悟ると交渉をした。

「頼みがある。僕が知りたかったことを知らせてくれ。」

すると、吸血鬼はいいだろうと言って時間をくれた。

そして僕はそっと紙にいろいろ書いて銃に撃たれる前の如く

手を挙げる。

「終了でいいよ。」

「そうか。」

吸血鬼は言った。そして僕は振り返る。

「なんでこっちを見る。」

「いや、君の顔を見ておきたくてね。」

「何故?」

「だって、何も知らぬまま死ぬのは嫌だろう。
だから、そのお顔を見せておくれ。」

雨、雷も止んで月光が僕と吸血鬼に照らしている。

「ふーん。どうもありがとう。」

吸血鬼は僕を殺すのを名残惜しく思うように言った。