・ ページ8
・
「…じゃあ杭瀬さんに〜?」
「「「「 かんぱーい! 」」」」
『…乾杯』
休憩やアップがそこまで被ることがないから、私服姿を見るのが初めてな人が多い。
もう少しちゃんとした服着とけばよかったかな、なんて。
都「ん?どうしたAちゃん」
『いや、もう少しかわいい服着てこればよかったなって』
都「…」
「もー、Aちゃんってほんとかわいいね?!」
私の事抱きしめてよしよししてくれる都里さんは綺麗めだけどラフなワンピース。
綺麗に巻かれている髪や丁寧なメイクがいつもよりも可愛い。
『都里さんも、…いつもよりかわいいですね』
都「…そーお?」
いつもなら「ありがとー!」って流されるのに今日はちょっと恥ずかしそうにして、耳を赤くしている。
(そういえば心做しか…)
私が視線を向けた先には早速かわいい先輩たちに囲まれた樹さん。
先輩と同じブランドのネックレスを首元に光らせている。
『都里さん、あっち…行かなくて大丈夫なんですか?』
都「えっ?」
『都里さん、忙しそうだから。樹さんと会うの久しぶりなのかなって』
都「…」
『そもそも、私のためにここ座ってくれたんですよね?大丈夫です、私意外と人と話せるのでっ』
都「…うん。ありがと、Aちゃん」
都里さんがちょっと遠慮気味に樹さんの方を見ると、それに気づいた樹さんが手招いて「ほら、お前らそっちの席も空いてるから」って隣に座る場所を確保している。
(樹さんも都里さんも。さっきと全然違う目になってる)
「Aちゃん、楽しんでる?」
『っはい』
『お陰様で…すっごく楽しいです』
「ん、いい笑顔。仕事中ももっと気抜いていいからね。私たちにも、気軽に話しかけてきなね」
『っ……はいっ』
この職場は温かい。
そりゃ友佳もあんな全力で私に勧めてきたり、楽しそうにバイトの話するよね。
18人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:野良猫 。 | 作成日時:2022年11月17日 11時