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しばらく目を瞑って、うん、と頷き
「3人__かな」と呟いたシゲは、
手元で3発リボルバーに弾を込めた。
赤「多分、外に3人おる。
そのうち銃持ってるんは一人だけやから…
まぁ、いけるやろ」
黄「シゲ…音聞き分けれんの」
赤「リュウセイほど正確じゃないけど、一応な」
話しながら銃のトリガーを上げるシゲ。
行くつもりなんや。
3人おるところに、1人で。
黄「し、シゲ」
赤「ん?」
黄「…気を付けて、や」
シゲの銃の腕は重々分かっているつもりでも、
なんせ相手は複数いるんだ、
大丈夫だなんて保証はどこにもなくて。
願掛けをするように
シゲのスーツの裾をつまんでそう言うと、
「心配性やなぁ」と呆れたように
目を細めて笑った後に、俺の髪を雑に撫でる。
赤「すぐ終わるから、待っとって」
そう言ってドアの方へ進んでいったシゲ。
…あいつ、あんなに背中大きかったっけ?
最初の発砲音が聞こえてから、
俺はずっとぎゅっと目をつむっていた。
不規則に聞こえる銃弾の音が、
シゲが撃ったものか相手が撃ったものかなんて
分からなかったし考えたくもなかった。
早く終われ早く終われ、
そして、無事でありますように__と
ひたすらに祈っていた。
先程までの喧騒がうそのように、
しん__と冷たい時間が流れる。
その静けさを破ったのは、
「じゅんた、」と聞きなれた甘い声だった。
赤「な?一瞬やったやろ?」
と返り血で染まった顔で、
俺は無事やで、と示すみたいにニッと笑うシゲ。
その姿でドアを開けて、俺を待っている。
それはまるで、様々なステージをかいくぐり
お姫様を助けに来た某ゲームの主人公のようで。
こんな血まみれな王子様おったら、
お姫様気絶してまうやろ。
心の中でふ、と笑って、
シゲのもとへ駆けだした。
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梅子(プロフ) - scsh1001さん» はじめまして〜!わ、ほんとですか!シリーズ多かっただろうにありがとうございます、嬉しいです( ; ; )これからも楽しんでいただけるよう頑張ります^ ^ (2021年4月1日 19時) (レス) id: 1126aa449b (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - れおりんさん» 凄く嬉しいですありがとうございます〜( ; ; )これからも楽しんでいただけるよう頑張ります...! (2021年4月1日 19時) (レス) id: 1126aa449b (このIDを非表示/違反報告)
scsh1001(プロフ) - はじめまして!とてもお話が面白くて一気読みしてしまいました!続き楽しみにしています!更新大変かと思いますが頑張って下さい! (2021年4月1日 10時) (レス) id: 48562dc31e (このIDを非表示/違反報告)
れおりん - どんなお話も面白くてちょっと泣けてマジで大好きです!これからも更新大変かと思いますが頑張ってください! (2021年3月29日 22時) (レス) id: b4d44b9c7b (このIDを非表示/違反報告)
Shimika(プロフ) - 梅子さん» 大変失礼致しました…!!!ご無礼申し訳ありません!これからも更新楽しみにしておりますm(__)m (2021年3月25日 13時) (レス) id: 178cde93d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅子 | 作成日時:2020年12月17日 15時