マフィアなWESTさん【JW】

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桃「俺は、さ…
　 みんなに守られてばっかで、
　 肝心な時に何もできなくて。
　 そんな無能な自分がいやで…」

青「でも、サポートしてくれてるやん。
　 だいぶやりやすくて助かってるで」

桃「それだけじゃあかんねん。
　 せめて、
　 せめて自分を守れるようにならんと…」


膝を抱えたノゾムの手を見る。

綺麗な手をしていた。

それに比べて、俺は……。


俺の手は、もう血まみれだ。


俺のことをまったく知らない人からすると
何のことかわからないだろう。

普通の人と何ら変わりない。


でも、違う。

ずっと血の匂いがする。

いくら擦っても、洗っても取れない。

今まで俺が命を奪ってきた人の分だけ、
汚れてしまっている。



青「ノゾム」


ノゾムの頭に手を置く。


青「焦らんくっていい。
　 人を殺せんくっても、敵は全部俺が殺したる。
　 ノゾムはそのままでいい」


そのままで、綺麗なままでいてほしい。


ノゾムに初めて会った時、
真っ白だと思った。

今まで人を傷つけたことがないんだろうな、と。


ノゾムの素直なところや無邪気なところが、
汚れた俺には眩しかった。



青「ノゾム、」


そう呼びかけると、ノゾムが顔を上げた。

涙が溜まった大きな瞳が
キラキラと光っている。


この瞳にだけは、
汚いものを映したくない。

俺はもう汚れてしまったけれど、
ノゾムだけは綺麗なままでいてほしい。


本人が変わりたいと思っているのに、
そのままでいることを望むなんて友達失格やなぁ。

それでも、ノゾムは俺が守る。

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