今日も仲良く挨拶のキス(5) ページ10
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ひと目見て何故彼女の正体がAだとわかったのだろう、という疑問が浮かんだが、そういえばさっきA自身が「エースが作った魔法薬でこうなった」と言っていたのを思い出した。
彼は一部始終を知る人物なのだ。
「ラギー先輩…これは一体」
そうだ、今はそんなこと考えている場合ではない。
「Aが…急に倒れて、何度呼びかけても目ェ覚さないんッスよ…!!」
今の俺はとてつもなく情けない顔をしているだろう。
後輩相手に恥ずかしさが込み上げる。
だけど、親友が目の前で意識を失ったのだから取り乱すのも無理はない。
「そんなっ、先輩、さっきまで普通だったのに…どうしよう、俺のせいだ…!」
「とりあえず、状況がわからないんじゃ手の打ちようがないッスね…。とにかくAを医務室に運んでから、誰か魔法薬に詳しい人を呼びましょう!」
「了解っす…!」
俺はAをお姫様抱っこすると、あまり揺らさないように医務室まで走った。
Aはあまり力がある方ではない俺でも軽々と持ち上げることができた。
「そんじゃ俺、人呼んで来ます!」
エースくんは医務室に着くなりそう言うと、バタバタと慌ただしく走って行った。
しばらくしてトレイさんを連れたエースくんが戻ってきた。
「エースから話は聞いた!この子が…本当にAなんだな」
駆けつけたトレイさんはすっかり女の子になってしまったAを訝しげに見つめる。
トレイさんはサイエンス部に所属しており魔法薬には多少の知識があるようで、今回エースくんが助けを求めたということらしい。
てっきりクルーウェル先生あたりを呼んで来るかと思ったが、問題を起こしたことが先生にバレるとどんなペナルティーを課されるかわからない。
その為まだ助けを求めやすいトレイさんを選んだという訳か。
「うーん、断定はできないが…眠り姫の薬の効能に似ている気がするな」
「「眠り姫の薬?」」
「二人とも、『眠りの森の美女』の話は知っているな?魔女の呪いで深い眠りにつくプリンセスの話だ。それと同じ症状が現れる薬を、たまたまエースが作り出したというわけだ。大丈夫、Aはただ眠っているだけだ」
そう言われてAの口元に耳を近づけてみると、なんとも気持ち良さそうな寝息が聞こえる。
安心した俺はがくりと肩の力が抜けた。
「トレイさん、薬の作用はわかったんですけど…どうすればAは目を覚ますんですか?」
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しろ - 今更ですが素敵な小説を発見してしまった…!!もう何度も読み返しています。二人の微妙な距離感がもどかしくて可愛らしい!! (2022年9月4日 8時) (レス) @page19 id: 694670944a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - んふふ…ちゅーで呪いが解けるってニヤニヤしますね! (2020年6月13日 10時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青井 | 作成日時:2020年4月12日 19時