今日も仲良くお昼寝(1) ページ1
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「ふー…」
「まーたこんなところでサボってる。リドル君に首はねられても知らねえッスよ」
木陰で寝そべってうとうとしていた俺の前にひょこっと姿を現したのは親友のラギー。
気持ちよく眠りにつこうとしていたのに現実世界に一気に引き戻された。
だがラギーと会えた喜びに思わず頬が綻ぶ。
「俺もうダメ。ラギーも一緒に昼寝しよう」
「何がダメッスか、昨日夜更かしして眠いだけのくせに。パーティーの準備でケーキ作るとか言ってたのに、マジでこんな所で何してんの」
どんどん確信をついてくるラギーはいつもより厳しく俺を責め立てる。
「知らないの?俺は食べる専門なんだよ。ていうかラギーうるさい…なんかマミーみたい。ラギーならぬマミー…ふふっ…あだ!」
ほんっとにつまんねえッス、と言って私の額にデコピンを喰らわせてきたラギー。
気持ちよく日向ぼっこしていたのに額がズキズキ痛む。
「これからお前のことはマミーと呼んでやる。有り難く思うんだな」
「もう勘弁してくださいよ、世話係はレオナさんだけで十分だっての。ったく、なんで俺の周りにはこうも面倒な奴らが集まるんだか」
やれやれ、なんて面倒臭そうに頭を掻くラギー。
そんな仕草も可愛いな、なんて思いながら俺は思い出したようにポケットからある物を取り出す。
「プレゼント、for you」
「お!マロンタルト!いいんスか!?丁度腹減ってたんッスよね〜!って…潰れちゃってんじゃん!」
ラギーは歪な形のマロンタルトを見てわなわなと震える。
「ポケットに突っ込んだの忘れて芝生の上でゴロゴロしちゃった…へへへ」
「ヘラヘラすんな馬鹿!」
「いらないなら俺が食べるから返して」
「別に味は変わらないだろうから食いますよ…ったくもう」
不服そうな顔をしてタルトを齧る彼であったがやはり味は絶品なのか、ふりふりと嬉しそうに動く尻尾は隠せていない。
それがあまりにも可愛くてクスクス笑いながら尻尾をつついてみると、ガルルッなんて珍しく威嚇してくるものだからこれはもはや可愛さの暴力だ。
「ご馳走様でした」
行儀良く感謝の言葉を口にすると、立ち上がってその辺に脱ぎ捨ててあった俺のジャケットを拾い上げた。
「Aさあ、そんなに寮服着るのが嫌なんスか?俺にはさっぱりわかんねえけど結構イケてんでしょ、これ」
ラギーはそう言ってハーツラビュル寮特有のド派手なジャケットを広げてまじまじと観察する。
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しろ - 今更ですが素敵な小説を発見してしまった…!!もう何度も読み返しています。二人の微妙な距離感がもどかしくて可愛らしい!! (2022年9月4日 8時) (レス) @page19 id: 694670944a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - んふふ…ちゅーで呪いが解けるってニヤニヤしますね! (2020年6月13日 10時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青井 | 作成日時:2020年4月12日 19時