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休憩中なのか遠くを見つめて煙草を吸っている土方さんに、私は恐る恐る近づいた。その隣に立つのは一体いつぶりだろうか。……心地よさは、死んだってかわらないなあ。
彼の吐き出す白と同じような存在になってしまったことへ、どこかもの悲しさを感じながら、右隣を見上げてみた。端正で、すこし隈の出来たその顔を見つめるうち、不意に、
――触れたい。
そんな欲が、顔を出す。触れたってどうせわからないのだから、土方さんに気づかれることは、ないのだから。心の何処かで言い訳を並べ――覚悟を決めた。
「――……、」
緊張からか、震える指先をそっと伸ばして、土方さんの頬に触れる。感触は、なかった。――なんだか、泣きたくなってしまう。
私が彼に触れるなんてこと、絶対にできないと思っていた。秘めた気持ちはずっと秘めたまま、"ただの部下"を貫くものだと。
土方さんがそこにいる限り絶対に部下として傍にいよう、という決意は果たせなかったけれど――一生その人の傍には、いられた。そのうえ一生のそのさきで、まさか触れられるだなんて。
彼は私になんて気づくはずもなく、紫煙を吐き出して一服している。自分は認識されていない、そうわかってはいるのに、――恋しくて、せつなくて、嬉しくて、いとしくて。
指先から広がるなにかに、胸を締め付けられるような思いだった。
だから、思わず、
「ひじかた、さん」
唇から漏れた音は、きっと誰にも届かない。わかっているはずなのに、咄嗟に口を両手で覆った。――すると。
「……、」
どうしてかそこで、土方さんの動作が一瞬止まる。煙草を口から離したまま、何か考えるような顔となって、――そして、廊下の数メートル先、かつて私の部屋だった場所に、彼の視線が留められた。
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いたる(プロフ) - 最高に面白いです！文章もすらすら読めるし銀魂のキャラクターがめっちゃいきいきしてて、すごく読みやすかったです！ (2022年3月19日 18時) (
レス) @page35 id: 2538ecda96 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - 笑子さん» 私の方こそコメント通知を発見した時の私の喜び！って感じです(;_;) 亀更新で好き勝手書き散らかしてますがそんな風に言っていただけて本当に幸せです。笑子さんのことを笑顔にできるようなお話めざして精進します…！笑子さんもお身体にはお気をつけくださいね！ (2021年4月27日 12時) (レス) id: 662e82697c (このIDを非表示/違反報告)
笑子(プロフ) - 更新通知を発見したときの我々読者の喜び…！！いやほんと、下の方も言っていますけど泣きそうでした。中村さんの書く銀魂ワールドが大好きです。また更新を待ちながら過ごすことが出来ると思うと、本当に嬉しいです。色々と大変なご時世ですので、お体ご自愛ください。 (2021年4月3日 15時) (レス) id: c15918936c (このIDを非表示/違反報告)
なかむら(プロフ) - ろあさん» 作品ページ拝見して(きもくてすみません汗)気づいたのですが、お名前変えられたのですね!! 覚えて頂けていて、またお会いできて本当に嬉しいです。1番なんて恐れ多いですが…でもそう思って頂けてとっても幸せです。ろあさんもご自愛くださいね！ありがとうございます！ (2021年3月5日 12時) (レス) id: cefa07e7cb (このIDを非表示/違反報告)
ろあ(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたら更新通知が来てて泣きそうになりました、、！中村さんの銀魂小説が1番大好きです！同じ話を何回も何回も読み直してます ！某ウイルスや寒暖差に気をつけて、リアルの方も大変かと思いますが応援してます！ (2021年3月4日 12時) (レス) id: 00e13ca19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2017年12月30日 18時
