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「ご注文お待たせいたしました〜」
沈黙を切り裂くように店員の女性がイチゴパフェとホットコーヒーを運んできてくれた。イチゴパフェはファミレスのものにしては豪勢で、案外おいしそうだ。アタリ引いたじゃん銀時、なんて思いながら彼女へ小さく会釈を返していると「つーか」特に普段と変わらないトーンのまま、銀時が口を開いた。視線の先を店員さんから銀時の方へ、シフトチェンジ。
先ほどまでと微塵も変わらない死んだ目はやっぱり何を考えているのかわからない色をのせたまま私の方へそそがれていた。
「そろそろ終わりにしねェ？」
「え？」
「俺たち」
瞬時、ピタと動きが止まる。息も止まった。……私じゃなくて、店員さんの。
「え……っと、」終わりにする、俺たち、そろそろ。その声があまりにもいつも通りなせいか、まったく頭に入ってこない言葉たち。息を呑むところまでそもそも理解が進んでいない私がただただ戸惑う横で、「以上でご注文お揃いでしょうか〜では失礼いたします〜」マニュアル詠唱を完了した彼女がそそくさと去っていった。残されたのは、私と銀時と、コーヒーとイチゴパフェ。
「お、うまそ」
目の前のコーヒーへ手をかけることもできない私を知ってか知らずか、銀時はパフェへスプーンを突き刺した。てっぺんに飾られたイチゴを一つだけ残して食べ進めていくそいつ。パフェの標高が下がっていくのをぼんやり眺めて私は頭を整理した。
終わりにする。私たちを終わりにする。
それはつまり、どう考えても、つまり。たった今吐き出された言葉たちがぐるぐる脳内を回る。頭の中をかき回されているような感覚を覚えた。だってそれは、どう考えたって、銀時はこの一年と少しの期間に終止符を打とうとしている、ということなのでは、ないか。
そのあたりまで考えて、私は内心の動揺を鎮めるようにコーヒーを口に運んだ。いつもはミルクと砂糖を半分ずつ入れるのだけれど、先ほどの店員さんはミルクと砂糖を置いていくのを忘れたようだ。困ったものである。なんて思いつつ飲み込んだ焦げ茶色は全く味がしなかった。どうやら味覚に神経を割く余裕も残っていないらしい。
女の意地で表情だけは普段通りのものを保ちながら「突然すぎない？」乾いた苦笑を落としてみた。ほら、大人ってこういうとき、こうするもんでしょ。よく知らないけど。一方パフェに夢中の銀時は「お前も思ってただろ」当たり前のように言ってのける。
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いたる(プロフ) - 最高に面白いです！文章もすらすら読めるし銀魂のキャラクターがめっちゃいきいきしてて、すごく読みやすかったです！ (2022年3月19日 18時) (
レス) @page35 id: 2538ecda96 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - 笑子さん» 私の方こそコメント通知を発見した時の私の喜び！って感じです(;_;) 亀更新で好き勝手書き散らかしてますがそんな風に言っていただけて本当に幸せです。笑子さんのことを笑顔にできるようなお話めざして精進します…！笑子さんもお身体にはお気をつけくださいね！ (2021年4月27日 12時) (レス) id: 662e82697c (このIDを非表示/違反報告)
笑子(プロフ) - 更新通知を発見したときの我々読者の喜び…！！いやほんと、下の方も言っていますけど泣きそうでした。中村さんの書く銀魂ワールドが大好きです。また更新を待ちながら過ごすことが出来ると思うと、本当に嬉しいです。色々と大変なご時世ですので、お体ご自愛ください。 (2021年4月3日 15時) (レス) id: c15918936c (このIDを非表示/違反報告)
なかむら(プロフ) - ろあさん» 作品ページ拝見して(きもくてすみません汗)気づいたのですが、お名前変えられたのですね!! 覚えて頂けていて、またお会いできて本当に嬉しいです。1番なんて恐れ多いですが…でもそう思って頂けてとっても幸せです。ろあさんもご自愛くださいね！ありがとうございます！ (2021年3月5日 12時) (レス) id: cefa07e7cb (このIDを非表示/違反報告)
ろあ(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたら更新通知が来てて泣きそうになりました、、！中村さんの銀魂小説が1番大好きです！同じ話を何回も何回も読み直してます ！某ウイルスや寒暖差に気をつけて、リアルの方も大変かと思いますが応援してます！ (2021年3月4日 12時) (レス) id: 00e13ca19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2017年12月30日 18時
