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のっと秘匿目的 ページ23

「――私も言おうとは思ってたんです!思ってたんですけど言ってなかったんです!仕方ないじゃないですか!?」

「いやどーしてお前がキレてんの!?」

「わかりません!」



こちらはこちらで未だ突如現れた土方さんへの混乱が収まっていないのである。


「だからつまり、タイミングを逃したというか!」


どうして自分がこんなに弁解をしているのかもよくわからないまま言葉を続けた。「決して隠してたわけじゃないんです!」なんて焦りまくっているあたり怪しさマックスだろう。

とりあえず状況を受け入れられはしたのか、土方さんはそんな私を呆れたように見つめている。「落ち着け」とタバコを一本取り出した。



「……まとめると、総悟にも何も言わず上京してきたってことだな」

「…そうならないこともないです。土方さんこそどうしてここに?」

「諦めて認めろ。俺ァ仕事だよ、見回り中に問題行為見つけたらこのザマだ。…んで、お前は何があったかしらねーが万事屋と知り合った、と」



もうちっとマシで頼れそうなのを見つけりゃいいもんを、とぼやかれた言葉には苦笑いを返しておく。銀さんで十分頼りになりますよ、なんて言葉は恥ずかしいので言わないでおいた。

一方、「ったく」土方さんはため息をつき。



「昔から思い切りだけはいいと思ってたがここまでたァ」

「…それは……」

「血筋だな」



心底呆れたようであり、しかしどこか微笑ましそうでもある土方さん。それはきっと付き合いの長さゆえだろう。私も少しだけ微笑んだ。――と。



「――あー、イイカンジなとこ悪りーんだけど結局何がどうなったんだよ」



投げ込まれた声に遠慮はなく、はっと我に返る。そういえば和んでいる場合ではないんだった。

土方さんに上京云々がバレてしまったこの状況下、私のすべきことは限られていて。



「――土方さん」

「なんだ」



いつか銀さんへ頼んだのと同じように私は彼へ「このこと総悟とか近藤さんにはまだ内緒でお願いします」と放った。……けれども、無論。




「――近いうちに、真選組に伺いますから。それまでは」




今回は、秘匿目的というわけでもない。覚悟がようやく固まりかけてくれたというわけなのだ。

「いいのかお前」という銀さんの問いかけには「折角のタイミングですし」なんて笑う。……多分これを逃せば私はそこへ足を運ばないだろうし。

どちらにしても→←逃し続けたタイミング



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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中村(平日浮上なし)(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!お陰様で一巻完結とさせていただきましたヽ(*´∀`)ノ亀更新にお付き合い頂きありがとうございます!!嬉しいお言葉も沢山頂けて嬉しい限りです…!! 次巻では多少進展させられると思うので…よかったらまたよろしくお願いします!(^^ (2017年2月11日 21時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - お疲れさまでした!次巻も拝見させて頂きます! (2017年2月11日 20時) (レス) id: 20b4c6b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
主任(プロフ) - 中村さんの作品いつも楽しみに見させていただいております(^_^)今回も最高でございます…また生きる糧を頂戴致します(^_^) (2017年2月11日 19時) (レス) id: 55077c071d (このIDを非表示/違反報告)
唯月 - 凄く面白いです!更新は大変だと思いますが、これからも頑張って下さい!応援しています! (2017年1月28日 22時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 私も田舎の方に住んでるので何かと共感できる部分が多くて嬉しいですw銀さんが用心棒……心強いですね。これからの展開が楽しみです。 (2017年1月28日 22時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/  
作成日時:2017年1月4日 20時

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