【銀魂】Don't touch me!!【沖田総悟】

特徴的な　side沖田さん ページ7

【沖田さんside】



「――となると、野郎は家の中ですか」



構えだけは立派な屋敷を見上げ聞けば「だろうな」と。…あたりに倒れる護衛の数を見ると、家の規模に対して少々少なすぎる。こりゃもうちっと中にいやがるな、などと思いつつ。



「…んじゃ、とりあえず俺ァ向こう捜索してきまさァ」

「……わかった。反対方向はこっちで指示するからとりあえずお前は徹底的に探せ」



さっさと終わらせて落語のDVDでも見るか、と俺はゆっくり歩を進めたのだった。





＊




――ただっ広い屋敷を彷徨くこと、数分。……おぞましいほど人の気配のねェ場所だなと多少の気味悪さを感じていれば。



「―――」

「――――――？」

「―――――！」



――不意に舞い込んできた、人の気配。……折田か、と自身の気配を消しながらその声の方へ行先を定めた。一歩一歩息を潜めながら近づいていけば、どうにも三人の人物が言葉を交わしているようで。



「――は――何か―――？」

「んな―――の――？」

「――より―――」




(……男ふたりと、女ひとりか。)


まさか女がいるたァ。オッサンのくせにそのあたりはまだ現役なのかとかなんとか考えて、またその気配の方へ近づいた。――のだが。




「――から―――たんだろ」

「でも―――だし、――ですか？」

「どうせ――し、多分――アル」




(…………ありっ)



………アル？

微かに聞こえた特徴的な語尾と、どうにも聞き覚えのある三つの声。……張り詰めさせていた気が抜けるのと眉間に皺が寄るのを感じる。………こりゃ、万事屋か？



警戒し損だったと後悔しつつ、俺は微塵の躊躇もなしで声の聞こえるその部屋に足を踏み入れた。突如開いた襖の向こう、見慣れた面々は間抜けな顔をしてこちらを見つめており。



「こりゃどーも、奇遇ですねィ」

「…………えっ何？ドッキリ？」

「んなわけねーでしょう」




気力も尽き果て、ため息が溢れる。旦那、メガネ、チャイナというへっぽこ三人衆にこちらの気持ちも萎え萎えだ。

「悪徳商人の粛清に来たらもっと悪徳な商人どもと鉢合っちまった」とぼやけば「悪徳商人？」とメガネ。旦那からその声の方へ視線を移し「そーそー」と放った。

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