偶然の頻発 ページ48
(――だから、つまり、私は。)
あの女の子たちと、大差ない。
“偶然”沖田さんに会ったことがあるだけで、その偶然が多かっただけで。それ以外は液晶越しにしか会うことができない。――びっくりするほど、遠い。
改めて突きつけられたその事実に私は唇を噛んだ。この先その偶然がなくなってもなんらおかしくはないことに、その偶然がなくなったらそこにはもう何も残らないことにとてつもない悲しさを抱いた。
(…最初は関わりたくないと思ってたのに。)
今となっては、このザマだ。
恋に身を焦がすという言葉を聞いたことはあったけども、まさか自分がそうなるだなんて露ほども思わなかった。しかも、よりによって沖田さん相手に。
でも実際そこに存在してしまっている恋心というやつは、どうしても私にほかの女の子の中に埋もれたくないという気持ちを抱かせる。そいつの目の中では、独立していたいと。
そうする――ほかの女の子に埋もれないためには、それこそ沖田さんと偶然でなくとも会えるような関係性を手に入れなければならない。…友人とか、それ以上とか。
友人になろうと言い出すタイミングなんてとうに逃してしまっているしもっと言えば今までもこの先も無いだろうから、切り出すとすれば自ずと後者の方になってしまう。
……しかし、皮肉なことにそうすると今度はまた違う問題が出てくるのだ。――思い返すのは、いつかの自分が浮かべた言葉。
(――きっと私が沖田さんに熱を上げているような女の子なら、現状はあり得なかった。)
想いを伝えたら伝えたで、また私はその他大勢の彼女たちに埋もれてしまうのだということ。
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中村(受験生)(プロフ) - ことにゃ@時間ほちいさん» 返信が遅くなってすみません…!(;´д`)23ページ、直させていただきました!あまりにもアホな間違え方でもしご指摘頂けなかったら…と考えると恐ろしいです汗 本当にありがとうございます!!また何かやらかしてましたら、お知らせ頂けると嬉しいです! (2018年1月27日 19時) (レス) id: cd501a87b6 (このIDを非表示/違反報告)
ことにゃ@時間ほちい(プロフ) - はじめまして。以前から楽しくにやにやしつつ読ませて頂いています。ところで、23ページの驚いて背中を話してっていう文、離して、ではないでしょうか。 (2017年12月9日 18時) (レス) id: b97928b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
鳥夢(プロフ) - び、びっくりしました!ここでこの作品が簡潔なのかと思いました!wこれからもゆっくりでいいので更新頑張ってください! (2016年12月18日 21時) (レス) id: 068b742e71 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日浮上なし)(プロフ) - 成瀬さん» コメントありがとうございます!中々番外編を書く時間が作れず申し訳ない限りなのですが、考えてはいますので気長に待ってもらえるととても嬉しいです…!ネタがぽんぽん浮かんでくれればいいんですが…笑 リクエストありがとうございました! (2016年12月18日 21時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 今更なリクエスト何ですが猫かぶりの番外編を書いてほしいです (2016年12月16日 23時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年11月27日 1時