【銀魂】Don't touch me!!【沖田総悟】

名前 ページ47

(――だって、…“優しそう”。)



ツボに入るのはやはりその言葉であった。あの沖田さんが、優しそう。

…もちろんほんのちょっとはそういう部分もあるけれど、なによりも彼は加虐趣味の節がある。……いや節があるどころの話ではないレベルで。真っ黒いオーラで身を包んでいる。



顔が整っているだけでそんな先入観を持たれるなんて大変だ、彼女たちは本人を前にしたら一体どれだけショックを受けてしまうんだろうか。――と、そこまで考えて。






「……ま、大差ないけど」




そんなことに、気がついた。…私だって液晶のこちら側であぁだこうだ言うくらいしかできないんだから。

考えてみれば私と沖田さんの関係はよくわからない。毎日会いはしていたけれど約束をしていたわけではないし、なにか申し合わせたわけでもない。……ただの、“偶然”。



偶然の頻発が重なって日課のようになっていくうち、私は沖田さんが当たり前にそこに――私の隣にいる存在であるかのような錯覚を起こしてしまっていた。

……けれど、改めて考えてみればそんなことがあるわけがなく。



例えば毎日会っていたって、こたつに負けてしまう程度の関係だ。会わなくなったって連絡の一つもとらないような。

他人と言うには近すぎるし、友人ともなにか違う。敢えて名前をつけるとすれば…、……知人、というか。




親しさも何もないような響きに息を吐いた。眼前の白に、歩調が遅くなっていく。

偶然の頻発→←don'tとcan't

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