【銀魂】Don't touch me!!【沖田総悟】

掃いて捨てる中に埋もれれば ページ35

「……今年は、こたつから卒業するのも悪くないかも」

「そりゃどんな風の吹き回しでィ」

「腹黒そうな風の吹き回し」

「どういうこった」



さぁ、と返しておいた。沖田さんに会いたいから、なんて言う気はない。悔しいし恥ずかしいし。

…それに、会いたいとは思うけど。――別に、想いを白状する気はないし。この先ずっと。



沖田さんがこうして私と過ごしているのは、多分私が気楽だからだ。本人は私が面白いからとか失礼なことを言っているけど、気楽というのも要因だろう。


沖田さんと知り合ってからというもの、私は度々テレビやら新聞の中のそいつに気づくことがあった。

ドS皇子やら破壊魔やらチンピラ警察やらと評される沖田さんは、悪評と同時に女の子からの絶大な支持も欲しいままにしているようで。




(……きっと、沖田さんは)




そういうの、苦手なんだろうな、と察せるくらいには性質を理解したつもりである。

…私がいくらその目に面白く映ったって、きっと沖田さんに熱を上げているような女の子なら現状はあり得なかったと思うのだ。



……それは、ここへ来て私がそのうちの一人であることを明かしても同じことで。




(…この時間がなくなるのは、嫌だ。)




恋情抜きに考えたって、万事屋以外では数少ない存在なのだ。手放したく、ないから。――だから、秘匿しておく。




「――ところで沖田さん」



そんな決意を胸に秘め、私はなんでもないように口を開いた。「沖田さんは冬の間何してるの？」と。

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