たすけてください ページ13
視線をあちらこちらへさ迷わせ黒髪を視界に収めないよう意識していると、そいつが諦めたように溜息をつき。
「…まァいい。とりあえず事情聴取だ。改めて聞くが――万事屋はどうしてあそこにいた？」
「スミマセン……」
「いや謝罪じゃなくて」
黒髪の眉間に皺が刻まれていくのがわかる。見てないけどわかる。声色でわかる。さすがは本職というか冷や汗が流れた。……でも。
「スミマセン…！」
「謝らなくていいって言ってんだろーが！人の話聞いてた!?」
…向こうが本職であるようにこっちだって本職の人見知りだ。そう簡単にまともな会話が成立すると思っちゃいけない。
会話を成り立たせなければならないのはわかっているけど、だからといって動悸がおさまってくれるわけでもないし。
(…とりあえず、質問に答えなければ。)
でなきゃ下手したらお縄である。それだけは、避けたい。
とりあえず怪しまれないように「私達は、ですね、」とぎこちないながらもなんとかカタコトから脱して言葉を紡いだ。視線の先は右手指先へ固定して。
「し、仕事してました」
「仕事ォ？」
「スミマセン埋マレバイイデスカ」
しかし聞き返されてしまえばカタコトに逆戻りである。椅子の背もたれにしがみつくようにして震えた。――やっぱりこれは、人選ミス。
まともに話を成り立たせることも出来ない私へ黒髪が諦めたようになにか取り出した。かちり、音がしたかと思えば目の前を白が漂っていき。
(……煙草の煙になって逃げたい。)
切実な思いは成就してくれぬようだった。黒髪も私も困り果て無言が続く中、――不意に密室に風が吹き込む。
新たな人物の登場か、とても勘弁して欲しい、そんな風に項垂れつつ背もたれに加える力を大きくしていると。
「――土方さん、捗ってやすか」
「………！」
――思いのほか見知った声が響いて勢いよく振り向いた。感情の読み取れないいつもの無表情で黒髪を見つめるのは紛れもなく沖田さんその人であり。
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中村(受験生)(プロフ) - ことにゃ@時間ほちいさん» 返信が遅くなってすみません…！(;´д｀)23ページ、直させていただきました！あまりにもアホな間違え方でもしご指摘頂けなかったら…と考えると恐ろしいです汗 本当にありがとうございます!!また何かやらかしてましたら、お知らせ頂けると嬉しいです！ (2018年1月27日 19時) (
レス) id: cd501a87b6 (このIDを非表示/違反報告)
ことにゃ@時間ほちい(プロフ) - はじめまして。以前から楽しくにやにやしつつ読ませて頂いています。ところで、23ページの驚いて背中を話してっていう文、離して、ではないでしょうか。 (2017年12月9日 18時) (レス) id: b97928b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
鳥夢(プロフ) - び、びっくりしました！ここでこの作品が簡潔なのかと思いました！wこれからもゆっくりでいいので更新頑張ってください！ (2016年12月18日 21時) (レス) id: 068b742e71 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日浮上なし)(プロフ) - 成瀬さん» コメントありがとうございます！中々番外編を書く時間が作れず申し訳ない限りなのですが、考えてはいますので気長に待ってもらえるととても嬉しいです…！ネタがぽんぽん浮かんでくれればいいんですが…笑 リクエストありがとうございました！ (2016年12月18日 21時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 今更なリクエスト何ですが猫かぶりの番外編を書いてほしいです (2016年12月16日 23時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2016年11月27日 1時
