【銀魂】Don't look at me!!【沖田総悟】

脱力 ページ44

「――商談？」



訝しげに声を返したのは新八だった。さすがに私と神楽も真面目な顔となって天パを見つめる。…武器商に夜な夜な現れる厳つい男、その言葉だけでもパンチは十分だ。

一体どんな話が行われているのか。どんな疑惑が浮かぶのか。固唾を飲んで見守っていれば。



「………いや、内容までは聞いてねーけど」



天パが私たち三人の期待をいとも簡単に裏切った。




「ここまで言っといて何も掴んでないんですか！」

「本当ヨてっきりもう真犯人掴んでるかとおもったアル」

「人騒がせダメ男め」


「罵倒の嵐やめてもらえるゥ!!?」




そんなこと言ったってこちらは既に刑事ドラマモードになってしまっていたのだ、仕方ない。一気に脱力して各自布団へ倒れこむ。

まったく少し跳ねた心臓が働き損だ。……不穏な何かには勘づいたような気がしなくもないけど、兎角今は脱力感の方が大きい。



三人から向けられるしらけた視線に焦ったらしき天パは「でも待て!!まだ終わってねェ!!」なんて声を荒げた。




「……銀さん、いい加減にしてくださいよ。明日も仕事なんですからそろそろ寝ないと」


「…んなこと言っていいんだなぱっつぁん。知らねーぞ俺ァ」


「はい？」




新八の訝しげな声と、その他二人からの怪訝な視線。それらを一身に背負いつつ、そいつは。




「――今日も来てんだよ、例の男が」



どうする、お前ら。場所は掴んでるけど。

言ってにやり、不敵な笑みを浮かべたのだった。




「身の回りの危なそうな芽は早めに摘んどくのに越したこたァねーだろ」

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