社会不適合者 side沖田さん ページ36
【沖田さんside】
「なんつっても常軌を逸した人見知りだしな。…とても自分で交友関係広げられるとは思ってなかったが、」
お前は人見知り突破したんだっけ?と。
その目は勘繰りの色も映しており――しかし純粋に大人が子供の成長を喜んでいるように見えなくもなかった。目の錯覚かもしれない。
「そんなとこです。…ったく、アレはどういう習性持ってんですかィ。ビビリのチキンかと思ったら俺相手にも遠慮なしで接してきやがる」
「随分気に入ってんじゃねーか」
「そりゃまぁ、いいおもちゃってとこですかねィ」
なにしろあの加虐欲を煽る面白さだ。他人に知らせてやるのが惜しい程度には気に入っちゃいる。…知らせたところで簡単に手懐けられるような猛者が現れるとも思いはしねーが。
調教とまでは行きやせんがいじめ抜いてはやりますよ、と旦那を視界の端におさめつつ言えば。
「…俺ァ青少年の恋愛に首突っ込むほど無粋じゃねーが、一応よろしく頼んどくぞ」
「……アンタいつから父親キャラに転向したんですか」
「誰が父親だ。Aは万事屋の中でも一番社会進出について不安があったんだよ」
「酷でェ言い草でィ」
万事屋で一番の社会不適合者には奴も言われたくないだろう。うるせーなとの声は聞き流し、そろそろ公園へ向かおうか思案していると。
「…あいつも素直じゃねーが中々楽しんでるみてーだからな」
浮かせかけた俺の腰をまた長椅子に引き戻した、そんな声。
「楽しむ?」
「楽しそうだぞ、最近。満喫してんなコノヤロー」
それは、中々に予想外だ。奴のしかめた顔やらなにやらがポーズであることには気づいていたが、楽しいとまで思っているとは。…素直じゃねェ奴、と内心笑いをこぼし。
「俺の人徳故でさァ。――んじゃ、そろそろ」
「公然わいせつで捕まるようなことだけはやめろよ」
「セクハラでしょっぴきやすぜ」
団子ひと串分の金でまだ居座ろうというファミレスの女子高生顔負けの根性を晒す旦那を背に、俺は例の人見知りのもとへ足を進め始めたのだった。
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中村(平日低浮上)(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!お陰様で一巻完結とさせていただきましたー!次は多少進展する、はず、です!よろしければ続編もお付き合いください(´∀`*) (2016年11月27日 1時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル(プロフ) - 1巻完結おめでとうございます!! 続編お待ちしていますッ><// (2016年11月27日 1時) (レス) id: ee46f2da27 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 中村さんの作品、どれも楽しく読ませて頂いています!!この作品ももう神作品・・・!!!これからも応援しています!続編待ってます! (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(仮)(プロフ) - わあああああ!中村さんの作品はどれも面白いですね…!!私も中村さんのようになれるよう頑張ります( ˘ω˘ )小説もテストも、応援してます!\( 'ω')/ (2016年11月21日 15時) (レス) id: ad846d9b2e (このIDを非表示/違反報告)
朋花 - はじめまして!こちらの小説読ませていただいています。とても面白くて、更新されるのを心待ちにしてます。期末テスト、頑張ってください!応援してます! (2016年11月20日 16時) (レス) id: 9203abc5a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年11月13日 0時