【銀魂】Don't look at me!!【沖田総悟】

これだから　side沖田さん ページ35

【沖田さんside】


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――いつも通りの平日、いつも通りのサボリルート。清々しいまでに青い空の下、俺は昼飯も終え公園にでも行ってみるかとゆっくりと歩を進めていたのだが。



「……あれ、沖田くんじゃねーか」



その道中、どうにもこちらに向けられているらしい声が落とされた。視線を向ければ甘味処の長椅子に見覚えのある影が腰掛けており。



「こりゃどーも、奇遇ですねィ」

「今日もサボりか税金泥棒」



つまるところ旦那である。あながち間違ってもいないその言葉には肩をすくめておいた。



「旦那の方は今日も暇極めてるようで」



どうせこの後の予定も定まっていなかったことだしとその隣に腰を下ろす。甘味処は中々の寂れぶりで、店内を覗き込んでも他の客は見当たらなかった。

暇じゃねーよパチスロで忙しいの、とかなんとかいうクズ発言を右から左へ聞き流していると。




「――つーか、沖田くん。どうにもウチの人見知りとイイカンジらしいじゃねーか」


「…イイカンジ？」


「聞いたぞ、この前雨の中わざわざ送ってきたんだろ。おまけにこの間はデートときた」




お熱いねェ、捻り潰してーわ。おっさんの僻みが飽和しているその言葉に漸く意味を解する。なるほど、そういう勘ぐりをされていたわけか。

きっと今日も今日とて何をするわけでもなくベンチに腰掛けているだろうそいつへ一瞬思いを馳せて口を開いた。




「コレだからモテねェ男は。こちとら健全な交友関係築いてるだけでさァ」


「お前ほど健全って言葉の似合わねェ男もいねーよ、うちの娘までアブノーマルに巻き込むんじゃねーぞ。…つーか誰がモテない男？」


「んなに心配しなくとも何もありやせんよ。……ま、気に入っちゃいやすが」




否定ののち口を滑らせてみれば旦那がなにやらからかいを含む視線をこちらへ向ける。受けて立つようにそれへ目を合わせると「ほォ」などと口の端を上げ。




「珍しいじゃねーか、如何にも人なんざ好かねェようなツラしてやがんのに」


「どんな偏見ですかィそりゃ。奴ァどうにも俺のドS性をくすぐるんで」


「調教はやめろよ」




旦那はしきりにその心配をしているがその予定はないので安心していてほしいものだ。今のところ人目にさらして反応を見る程度で満足できている。



「アンタもあんな逸材よく隠し持ってたもんでィ」



声を投げれば旦那は「勝手にあいつが隠れてただけだろ」と笑った。

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