【銀魂】Don't look at me!!【沖田総悟】

嫌い ページ18

はぁ、と大きなため息をついた私の方へ突き刺さるのは憎き天パの好奇心溢れる視線であって。




「珍しいじゃねーか、人見知り極めてるお前がさっさと人に慣れて、しかもそこまで機嫌悪くされてるたァ」


「あんだけ毎日鉢合ってたら嫌でも慣れるの。機嫌ならどこぞの天パ相手にも悪くなるし」


「ぶっ飛ばすぞ内弁慶」




ぶっ飛ばしたいのはこちらである。なんでそんなにニヤニヤとした顔を向けられているのか。甚だ疑問だ。

ムッとした顔のままそっぽを向いた私に対し、そいつは一瞬呆れ笑いを浮かべたかと思うと。


「――嫌いか？」


そんな疑問を、こちらへ放った。



「……嫌い？」



――当たり前、大嫌い。……と、そう即答できなかったのは多分そんなこと考えたことがなかったからだろう。

沖田さんのことは訳の分からない人だとは思うけど――…不思議と、そういう思考には繋がらなかったなとぼんやり考える。



改めて私は結局あの人を嫌いなのかどうか、少しだけ考えてみて。……その結果。


「――嫌いでは、ないのかも」


沖田さんの顔を思い浮かべても嫌悪感はわかなかった。…嫌いと、いうより。どちらかといえば。



「なんか…通ずるところがあって嫌だ」



――そう、嫌だ。

安息所しかり、その態度しかり。
彼の動作の既視感を辿ってみると自分にたどり着くのがなんとも嫌なのである。


表情筋を駆使し微妙な顔を作り上げた私へ、天パはまた面白そうに笑い。



「――ま、しょっぴかれねーよう気ィつけろよ」



いらぬ心配を、私へ投げてきたのだった。

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