【銀魂】真っ正直姐さん【土方十四郎】

所得税の話です ページ8

「あ、はい！……って言っても屋台目当てなんですけどね」

「なるほど。チャイナ娘？」

「その通りです」



まぁそんなお金もないんですけどね、とメガネ君。新年早々辛そうな事情が垣間見えて目をそらした。働け銀髪。

なんとなく申し訳なさがこみ上げ黙り込んでしまっていると「ま、こっちはんなわけだけどよ」と旦那が口を開き。




「ソッチは何？デート？人から税金搾取したうえ自分たちだけ満喫とかマジふざけんじゃねーぞ」


「うるせェなそういうことは税金を搾取されるだけの稼ぎを持ってから言え！」


「払ってますけど〜？えっもしかして消費税ってもん知らねーの？」


「銀さん悲しくなるんでやめてください」




始まりそうになった口論はメガネ君の一言で一旦落ち着き、ほっと息をついた。
しかし土方さんは舌打ちのみで口を閉じたものの、旦那はおとなしく引いてくれず、



「こちとらリアルに充実しやがってる皆々様を視界におさめると吐きそうになる病気患ってんだよ」



……とかなんとか。…なに言ってんだかはまったくもってわからないけど、そんなことより。




「…リアルに充実？」


「食いつくとこそこかよ。だってお前らデキてんだろ、真選組は不純の塊か」


「誰が不純ですか!!……というかそれ、誰から？」




そう、問題はそんな話が誰から伝わったのかということだ。土方さんを見上げるも心当たりはないようで――屯所内であたしと土方さんの仲を知っているのは総悟だけだし。……いや、総悟？もしや奴か、とてもやりそうだ。

もし総悟だったら早めに制裁を考えておかないと、なんて思いつつ万事屋を見上げていたら「別に誰からも何も聞いてねーけど？」と。




「………はい？」
「……テメェそりゃどういうこった」


「どういうも何も前からデキてたじゃねーか」




何を今更、とばかりに万事屋が怪訝そうな顔をする。あたしもあたしで眉間に皺を寄せながらチャイナ娘とメガネ君へ目をやってみた。……ふたりとも万事屋の旦那と同じような顔をしていた。




(……いやいやいやいや。)



だってそれってつまり――前々から、そんな勘違いをされていた、と？





「――ーーっ、あのねぇ、」



冬の寒さとは別の理由で頬が赤く染まった。否定しようと口を開いたはいいものの、そこからが繋がらなくて。……くっついてなかったって否定しても現在はくっついたことを言わねばならないだろうし、…面倒なことになりそうだ。

寄り添って→←愉快な仲間たち

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す