【銀魂】立てば芍薬【坂田銀時】

カモン天啓 ページ43

――――――――
――――――


――銀さん誘惑大作戦から、はや一週間と少し。……普通なら多少記憶が薄れてもおかしくないのに、あのあまりにも間抜けな顛末はどうにも私の頭から抜けなくて。



「……あぁぁもう、どうすれば……」



ごろんと狭いベッドの上で寝返りを打った。誘惑はできないし化粧は効果なしだし服も全然意味なしなようだし。……打つ手なし？これは。

立ち振る舞いをとても上品なものにしてみるとかいう手が浮かばないでもないけれど、きっとそんなもの銀さんの失礼発言の前では崩れ去ってしまうだろうし。




どーすりゃいいんだこれは、なんて声にならない呻きを上げた、そのとき。




「――――あ」




――私に、天啓が舞い降りた。……ひとつだけ見つけた、まだなにもしたことのない箇所を。

つまるところ、いたって単純。そんな言葉がぴったりと当てはまるひらめきだけれど灯台もと暗しなんてやつである。




だから、要するに。



「……髪の毛、ノータッチだったなぁ」



……正直そんなに影響力が大きいとは思えないけれども縋るしかない。――そう決めたらあとは早い。一瞬で起き上がり身支度を整えて。



「――いざゆかん、志村家」



私は交友関係が狭いのだ。こんな相談を出来る人なんてそれこそひとりくらい。

……とりあえず行きがけに大江戸スーパーによっていこう。あそこはハーゲンが一番安いんだ。――とまぁ、そんな決意をし。



「…何かしらのひらめき、ありますように」



一度神様へ願ったのち、私は下駄を履いたのだった。

ありがとうハーゲン→←暇の典型　side銀さん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す