増えてる ページ30
「どういう意味ですか一体」
首をかしげつつ聞いてみれば「なんかお前に協力してるみてェで嫌だ」と。
「私依頼人んんん!!!」
「黙れ金づる、協力することで敗北感が生まれんだよ」
「黙れはこっちの台詞です!銀さん元々敗者みたいなもんじゃないですかぁ!」
「ハイ決めたァー絶対認めねェお前がどれだけ向上しようと俺は絶対認めねェ」
「審査官でしょーが!公平さが足りない!!」
私情混ざりまくりである。絶対認めないとか酷さの極みだ。……それにそんなこと言われると逆にムキになってしまうというのが人間のタチであって。
「繰り返しますけど何があっても銀さんだけには綺麗だって言わせてみせます」
「言ってろ中の中の中の中の中の上」
「前より中増やさないでください!!」
あぁぁ、なんて頭を抱えた。運ばれてきた団子を片手に通りをぼけっと見つめる銀さんだけれど、美人探しをしているようには見えないし。
打つ手なしか、と更に私がうなだれた、そのとき。
「――あ」
銀さんの声が不意に落とされた。左隣を見上げてみれば通りのある一点を見つめたままなにやら考えている様子の銀さん。……これは。
「美人ですか!?美人ですね!?どれですか!!?」
「うっせーボケ。……アレだな、俺の好み聞くまでどうせ帰る気ないなら他の奴の好み聞いて気を済ませりゃいいだろ」
「……何の話ですか?」
「面倒臭せェもんは嫌いな奴に擦り付けるのに限るって話」
それだけ言うと彼は「オイそこの税金泥棒どもー善良な市民に協力しやがれ」だなんて。その視線の先にいたのは美人でもなんでもなく黒い隊服に身を包んだ三人衆だったらしい。
……というか、アレは。
「……真選組?」
「いや税金泥棒だ」
「…知り合いなんですか?」
「ちょっと色々とな」
不機嫌をにじませてその人は言った、けども。
「………懲役、どのくらいだったんですか?」
「誰がパクられた側だ!!」
「だって銀さんなら重罪のひとつやふたつ背負ってそうじゃないですか!」
「どんなイメージ!!?」
「というか無視されてますけどいいんですか?」
気持ち早足になっている三人衆を指差す。銀さんは「あんのバカども」とかなんとか言って「オイテメー等だよ腐れポリ公ォォ!あることないこと吹聴されたくなかったら面貸せコラ!」なんて怒鳴った。
「……品性の欠片もない招集文句ですね」
「いつか殺すからなお前」
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高杉紗夜香(プロフ) - よく銀さんは胸が問題と言っていますが、中村さん的にはどれくらいが小さくてどれくらいが大きいんですか? (2018年1月17日 14時) (レス) id: 47ea433c10 (このIDを非表示/違反報告)
ピピ - 中村さんの作品、いつも読ませていただいてます!ヒロインと銀さんのやり取りが面白くて大好きです!これからも頑張ってください! (2016年10月10日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日低浮上)(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!コマンド、笑ってくださって嬉しいです笑 じょは…ご想像におまかせします! なんとか一巻か二巻におさまるかな、という感じです。よろしくしていただけたらと思います…!! (2016年10月9日 18時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - じょ、とは一体……上玉?上等?← (2016年10月9日 8時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
まさか(プロフ) - コマンドでお茶をふく…リアルに吹きました五年ぶりくらいに…笑 応援してます! (2016年10月7日 20時) (レス) id: fc0d9ef477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年10月1日 23時