現在仕事中 ページ12
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「――こーんにーちはー!」
――前回の訪問及びとりあえずの目標設定から、一週間と少し。休日は途中経過報告のため万事屋に来るようにと義務付けられている私は明るく声を上げながら万事屋の戸を引いていた。
「あ、Aさん。お待ちしてました」
家の中へ響き渡った声へ最初に顔を見せてくれたのは新八君である。彼に招かれるまま今へ足を踏み入れればいつも通りだらけている面々が伺えて。
「………万事屋さんって仕事とかないんですか」
「……今仕事中です」
「…………なるほど」
それはつまり現在の依頼人は私だけということである。アハハと乾いた笑いを漏らすことしかできない。
苦笑いを浮かべたままいつも通りソファへ腰掛けようとしたとき、「アレ」と神楽ちゃんが私の方へ怪訝な視線を向けた。
「この前から垢抜けた感がないアル」
「……言葉を選んで欲しいなぁ、とか」
まぁ言っても無駄か。苦笑の苦さを強めつつ「ちょっと方針を変えました」と発する。
「方針変える?どーすんだよ服装以外のどこらへんを武装する気だ」
「武装って言い方やめてもらえます!?……そうじゃなくて、ファッション誌とやら買ったんですけど…、……参考にするのがおこがましくなってですね」
「アレ参考にするために売ってんだろバカなのお前」
「だから!ああいうのに出てる人たちって美人でスタイルのいい何着ても似合う種の人間じゃないですか!!」
そこまで言えば銀さんたちもわかってくれたようだった。「つまり高須か、覚悟決めたな」とかなんとか抜かす銀髪は放っておいて。
「――そんなわけで、現在ダイエット中です」
にっこりと笑ってみた。食事制限にジョギングというダイエットの王道を行っている今現在、効果はそれなりである。しかし上機嫌を隠さない私へ向く視線は三者三様で。
「なんで女ってことあるごとにダイエットしてんの?そんなに脂肪が憎いのか」
「美人の必須条件アルナ」
「でもダイエットが必要にも思えませんよ……?」
とりあえず新八君はすばらしくて神楽ちゃんも頷いてくれているから嬉しい。銀さんは葬りたい。
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高杉紗夜香(プロフ) - よく銀さんは胸が問題と言っていますが、中村さん的にはどれくらいが小さくてどれくらいが大きいんですか? (2018年1月17日 14時) (レス) id: 47ea433c10 (このIDを非表示/違反報告)
ピピ - 中村さんの作品、いつも読ませていただいてます!ヒロインと銀さんのやり取りが面白くて大好きです!これからも頑張ってください! (2016年10月10日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日低浮上)(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!コマンド、笑ってくださって嬉しいです笑 じょは…ご想像におまかせします! なんとか一巻か二巻におさまるかな、という感じです。よろしくしていただけたらと思います…!! (2016年10月9日 18時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - じょ、とは一体……上玉?上等?← (2016年10月9日 8時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
まさか(プロフ) - コマンドでお茶をふく…リアルに吹きました五年ぶりくらいに…笑 応援してます! (2016年10月7日 20時) (レス) id: fc0d9ef477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年10月1日 23時