命乞い ページ6
*
「―――で」
テメェ覚悟は出来てんだろうな、と凄まれる。現在地は3年z組で目の前には副委員長さんがそびえていた。床に正座をした私は冷や汗を全身にかきつつその鋭い眼差しに耐えているところで。
……つまるところ、逃走に失敗したのである。なんということだ。――と。
「お、おいトシ、そんなに凄まんでもいいんじゃないのか?反省してるようだし」
「近藤さんは黙っててくれ。そもそも元凶はアンタであることを忘れんなよ」
私の方を見てオロオロする風紀委員長。が、しかし副委員長によってその言葉はバッサリいかれてしまった。副委員長最強なのではないだろうか。
……そんなことを考えつつまた冷や汗を流す私の方を、副委員長さんは一瞥し。
「…つーかなんで正座?」
「い、命乞いをしようかと」
「時既に遅しだな」
「ご慈悲を!ご慈悲をォ!!」
18歳で人生を閉じるとか嫌である。寂しすぎである。副委員長さんを拝むようにしていれば「んじゃとりあえずさっきのをネタにすんのはやめろ」と。
…それで命が救われるならお安い御用、と言いたいところであるんだけれども。
「………どうしてもですか」
「無理とは言わせねェ」
「開いてる!瞳孔開いてる!」
お前は何なんだそこまでして風紀委員をネタにしてェか、なんて睨まれた。――いや、そういうわけじゃなくって!
「――代案が、ないといいますか!」
「…代案?」
「他にネタにすることがあればそっちにします!でも沖田くんが休みな関係でネタがないんです!!」
――恥を忍んで、言い切った。副委員長は「はァ?」と間の抜けたような顔をしている。……ここで私は、あることを思いついた。
(――そうだ、そうしてしまえばいいんだ!)
図々しいけれども、全てが丸く収まる案を。…つまるところ。
「――副委員長さん!私にネタをください!!」
副委員長さんは、またまた間抜けな顔をした。
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ミズキ - これ一番好きです、何でそんなに評価低いのか全く解りません!主人公も好き! (2017年11月25日 12時) (レス) id: 76bba592ea (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - 3zの沖田くん大好きです! (2016年9月30日 10時) (レス) id: fb7f603cb6 (このIDを非表示/違反報告)
中村@テスト期間(プロフ) - 雪月華さん» 本当ですね!直させて頂きました...!すみません! きっとご指摘頂けないとそのままだったと思うので、とてもとても助かりました。本当にありがとうございます!(´ヮ`;)また何かありましたら、お知らせ頂けると幸いです! (2016年9月19日 23時) (レス) id: 05ad8fd9f2 (このIDを非表示/違反報告)
中村@テスト期間(プロフ) - 皆様コメント感謝です!お陰様で完結させて頂きました。とても短くなってしまい恐縮ですが、面白かったと言っていただけて嬉しさの極みです。本当にありがとうございます!! (2016年9月19日 22時) (レス) id: 05ad8fd9f2 (このIDを非表示/違反報告)
雪月華(プロフ) - すみません。1つ聞いてもよろしいでしょうか?《某月某日》の【明日に役立つ便利情報】の「最新の注意を…」は「細心の注意を…」ではないでしょうか。とっても面白かったです!テスト近いのについつい読んでしまいました。これからも面白い作品をお願いします! (2016年9月19日 22時) (レス) id: 65bc9c8f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年9月18日 13時