【銀魂3z】少年少女よ言葉を紡げ！【沖田総悟】

みんなバカヤロー ページ15

――――――――



―――それは、社会科教室に沖田くんが来なくなってから一週間がした頃、とあるお昼休みのこと。




「――まァた書きやがったな新聞部!!」


「言論の自由！表現の自由！報道の自由ゥゥウウウ！」




……購買でたまたま副委員長さんと行き会ってしまった私は、こうして彼に追いかけられていた。運の悪いことに今日の3z欄は委員長さんとやらのネタだったのだ。

必死の形相で足を動かす私はいつぶりかのデジャヴにちびってしまいそうである。振り向けば恐ろしい顔が迫ってきているし。




「だからネタ見つけてくるのは私じゃないんですってばァァァアアアア!!」


「ネタ書いたのはテメェだろーが！」


「横暴ォォオオオオ!!!」




逃げるうちに、3zの教室が近くなっていることに気づいた。――こんなとき、いつもなら沖田くんの姿を探す。そしてその姿を見つけると、迷いなく背中に隠れるのだけれど。



(………今は、そんなこと、)



しちゃ、いけないのかな。心当たりのないすれ違いはどうしようもなく寂しい。

相も変わらず何一つわかっていない私は、ここ一週間はずっと沖田くんのことを考えていたといっても過言ではなくて。自分の思考回路がここまで人に占領されるなんてこと、あるんだなぁと一周回って笑えた。



少し悲しくなってきてしまったこの気分を紛らわせるように、口を開き。




「――もう！副委員長さんも沖田くんもバカヤロォォォオオオオオオ!!!」




ストレスを、ぶつけた。ただひたすら足を動かして、風を切る。悩みを吹っ切るようにそうしていると、突然前に進むことができなくなった。

それの原因――何者かに掴まれたらしき左腕へ視線を向けて、“何者か”の腕を辿る。すると、そこにいたのは。



「誰がバカでィ、窓から逆さまに落としてやろーか」



――恐ろしいまでにいつも通りの、その人。



「……おきた、くん」



近づいてくる副委員長さんの影も目に入らないくらい、私は呆然とした。――と、いうか！

ノーマルでない→←それの名前

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す