【銀魂3z】少年少女よ言葉を紡げ！【沖田総悟】

イラつく　side沖田くん ページ12

【沖田くんside】



―――社会科教室を出て、十数分。帰路に着いた俺はというと、半ば上の空で歩を進めていた。……原因は奴にある。

…昨日、いつぶりか体調を崩し欠席した俺の唯一の心配ごとは奴と新聞についてだった。なにしろ3zにゃ新聞部の天敵と言っても過言ではない土方コノヤローがいやがるし、今日の新聞を見たときは3z欄が空でなかったことに驚いたほどであったのだが。



(……まさか、土方さんに妨害されるどころか協力されてるたァ。)



別に不思議なことではない。そりゃ近藤さんの所業載せられるよりかは自分で他のネタ提供したほうがまだマシだったんだろう。…しかし。

しかしあの社会科教室で野郎とAが一緒に新聞を囲んだというその事実は、どうしようもなく俺をイラつかせた。――理由は明確だ、今更言い訳をする気もない。




男の嫉妬ほど見苦しいものはねェってのにいざそんな状況になるとこのザマである。あのとき思わずやっちまった行動に呆れがつのる。俺ァサカりづいたケダモノかなにかか。



だが事実として、衝動的に引き寄せた奴の顔は脳裏から離れず。



(…いっそのこと、不祥事作っちまえばよかったか。)



あの赤を更に濃くすることなど容易かった。……容易かったが、実行できなかった。

今頃あいつは何を考えてやがるのか、頭を巡らせようとしてため息をひとつ。




「だめでィこりゃ」




情けなくもこの調子でAを前にしたらまた暴走しそうである。社会科教室はしばらくおあずけだ、みっともねーことこの上ない。

とりあえず明日は土方コノヤローのマヨネーズに下剤でも盛ってやろうと心に決めて、俺はまた足を進めだしたのだった。

原因不明→←帰宅宣言

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す