【銀魂】おとなりさん【坂田銀八】

想像できない ページ6

(―ううん、なんだ、なんだろうこの、)



……しっくりこない感じは。私から見る坂田さんというのはいつでも無気力で気だるげで…うん、言ってしまえば。


(高校生に色々教えている姿が想像できない。)


高校の先生といえば熱血だったり厳しかったり口うるさかったりだけれども…。




――熱血な坂田さん。

…ない。絶対にない。挨拶を交わし合うだけの仲だけれども断言できる。これはない。



――じゃぁ、厳しい坂田さん。

…きっとない気がする。ゆるっとしていそうだし。



――ならばならば、口うるさい坂田さん。

…ないなぁ、口を出すのも面倒くさがりそうだ。




さて、ここで私に疑問点が一つ浮かぶ。


(……坂田さん、教師ってほんとかな。)


何者なんだろうあの人は。教師だったとしたら何をしているんだろう。行事はもとより、全てのことに対して気力を持って取り組んでいるその人の姿が全く想像できない。とても失礼だけれども。



――いや、うん。まぁ。


(…ふしぎな人をおとなりさんに持ったものだ。)


とても気になる、というわけではないけども…謎には変わりない。謎多き人、坂田さん。



「…ふっ」


“謎多き人”というその言葉に思わず自分で吹き出してしまった。なんだろう、なんていうかその言い回しは坂田さんには似合わないな。




(“掴みどころのない人”かな、どちらかというと。)



なんだか笑えてきてしまって、くすくすと笑い声を零しながら私は玄関のドアノブを回す。視界の端では太陽が沈んだようで。――そうして、一日は終わっていくのだった。

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