告白 ページ28
――――――
「――で」
なにかあったかー、と気怠く声を上げた坂田さん。
…例のお昼休みから数時間、私は坂田さんと飲みに来ていた。……私からの誘いで。
(坂田さんに相談とかするつもり、なかったのに…。)
どうしてこうなってしまったのかとビールをあおる。お昼休み終了間際、未だ悩んでいた私の指がなんだか勝手に坂田さんへメールを送信してしまっていたのだ。
そしていつもは誘われる側である私がそんなことをしたために、坂田さんはそんなことを言ってくれているというわけである。
(…でも、なあ。)
自分で誘っておいてあれだけれど、相談していいものなのか。今のところ私と坂田さんはただのおとなりさんであって、仕事ことだとか私生活のことに踏み込んでいいほど近い距離にいるとは思えないし。
「……別に何かあったってわけじゃ、ないですよ」
結局距離を測り兼ねた私は「ちょっと飲みたくなっちゃって」と誤魔化して笑った。――しかし。
「お前、前から思ってたけど隠し事下手すぎね?」
「はい?」
「考え事あんのバレバレだぞ」
坂田さんには、どうやらお見通しのようで。
「どうせなら言ってみろよ」とお酒をつぎ足す興味なさげなその態度に、私もあっさりと巻き込まれてしまう。
「…引いたりしませんか」
「え、何?そんなどぎついカミングアウト?」
「いや!そうではないんですけど!」
今日のことを相談するとはつまり、私の恋愛遍歴にまで言及しなければならなくなってしまうのだ。
坂田さんは気兼ねなく付き合える数少ない知人であるし、できれば離れていかないで欲しいという思いからかけた保険だったのだけど、どうにも彼相手では必要ないようだった。
「あぁもう、じゃぁ恥を捨てて言います!まず、」
景気づけに注いであったビールを一気に飲み干し。
「――私、彼氏いない歴と年齢をイコールで結べる人種の人間です!!」
坂田さんが、むせた。
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四葉(プロフ) - 中村さんの作品、いつも見ております!銀八がかっこよすぎますね…あんなお隣さん欲しい…これからも頑張って下さい(*´ω`*) (2016年8月8日 7時) (レス) id: ca3544b3d3 (このIDを非表示/違反報告)
(・・) - 銀八が…完全に私をキュン死させに来てる…!((更新頑張ってください!応援してます! (2016年8月8日 1時) (レス) id: 22f5214bf5 (このIDを非表示/違反報告)
中村@本日浮上(プロフ) - 皆様コメント感謝です…!!ひとつひとつのお言葉に力をもらっています、ありがとうございます!行き当たりばったりの亀更新ですが、できる限りがんばりますのでよろしくお願い致しますー! (2016年7月31日 22時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
サド丸78号(プロフ) - 銀八先生イケメンです!!中村さんの作品はどれもキュンキュンします!! (2016年7月31日 21時) (レス) id: e915f4d862 (このIDを非表示/違反報告)
ゆおん(プロフ) - 素敵すぎて惚れてしまいそうです……!!お忙しい中、更新ありがとうございます!Twitterの方、リプ送らせてもらいましたので良ければ見てください。これからも応援してます!! (2016年7月27日 1時) (レス) id: 46f4f5d279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年11月29日 11時