【銀魂】浅き夢見じ酔ひもせず【高杉晋助】

違う ページ4

――違う？



「･･･どういう意味、でしょうか」



純粋にその意味がわからなくて笑みも曖昧になった。

そんな私に来島さんはその笑いの苦さを濃くして。



「･･や、なんか上手くは言えないんスけど･･･」

「遠慮は結構ですよ？」



じゃぁ遠慮なく、と彼女はまた苦笑した。



「――私は晋助様を慕ってるじゃないっスか」


「ええ。･･･私も」


「･･そうなんスけどね･･･」



船のヘリに頬杖をつく彼女。潮の匂いが彼女の金髪をさらう。

そして。



「･････私は憧れなんスけどねー･･･」



意味深な視線と、ぱちり。


(･････、)




「･･･それは、どういう･･？」


「････････や、特に何も」



･･特に何も、なんてことはないと思うんだけれど。



「･･そう、ですか」



彼女はもう何も言葉を紡がないように思えたから仕方ない。




――また暫く見ることが出来なくなるであろう青空を、数秒見つめて。



「――――宇宙、ですね･･」



小さく、そう呟いたのだった。

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