【銀魂】浅き夢見じ酔ひもせず【高杉晋助】

必要ない ページ22

(――でも、そんな。)


――――そんなこと、どうすればいいの。



････高杉さんの目指すところは難しくとも明確だ。･･世界を壊す、というそれは彼の意志であり鬼兵隊という組織の意志であり――。


―――そこに、色恋だとかそんな浮ついたものは必要ない。



･･だって私が今生きているのは甘い考えが通用しない世界なのだ。まだ戦場に立ったことは少ししかないけれど、いつそこに立ってもおかしくないところに私はいる。

高杉さんなんて、私以上にそのど真ん中にいるのだ。――そんな、彼を。



そんな彼を私が好いたとして、それはただの邪魔ものだ。戦のとき、真っ先に足でまといとなってしまうだろうもの。

･･･････不要で、持ったとしても隠し通さなければならないだろうもの。――“捨て去る”ことはきっと出来ないから。･･だってほら、現に今も。





(･･･惚れる、なんて。)


とんでもない。大変なことだ。･･でも。

でもこれで、無刹さんの件について私も少しは何かがわかるかもしれない。――そして、高杉さんの役に立つことが、できるかもしれない。



･･そんなふうにすぐ思考が彼の方へ繋がってしまうのだ。それが最重要事項に来てしまっているくらいに。


――――私は彼に“色恋”関連の情を抱いてしまっているのだ。･･･簡単に捨て去ることは出来ない。今のところ、確実に。



動揺と不安と、自身への呆れ。･･･そんなものを抱えながら、そんなもので悩みながら。


(･･――大変なことに、なってしまった･･･。)




私は、ベッドに倒れ込んだのだった。

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