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作戦 ページ12

――――――――――――



「――――はぁ・・」



――暗い艦内の廊下に響いた、来島さんのため息。・・今は裏切り者の下見を終えたところであり。



「・・・・中々手強そうでしたね」



・・彼女のため息の原因はそれだ。裏切り者が思った以上に手強そうだったこと。・・・・・私もため息をつきたいくらいだもの。

これからどうしましょう、と来島さんを見上げれば、彼女はまたため息をつき。




「・・個人対個人に持ち込んだほうがいいかもしれないッス」


「・・・・・個人対、個人?」


「や、普通はああいうのって二人以上対一人でやるんスよ。相手に恐怖を与えるために。――ただ、今回は・・」


「・・・その手法はあまり効果がなさそうだ、と?」




私の言葉に「そういうことになるッスね」と肯定を返した来島さん。


(・・個人対、個人・・・?)


――――それは。




「裏切り者に対して、私か来島さんの一人が担当するということでしょうか」


「それだと流石に無理ッスよ。やるとしても一日交代でしょうね」


「一日交代で・・」




うぅんと頭を捻る。

・・一対一ならば、おのずとお互いの何かが見えてくるだろう。・・・それに。



「私と来島さんはタイプが違いますよね」

「・・タイプ? まぁ確かに、言ってみれば正反対かもしれないッスね」



それならば、どちらか片方へは多少心を開いてくれるかもしれない。

来島さんも私の考えがわかったのか「成程」なんて二,三度頷き。




「つーか私なんてほぼ嫌われたようなもんだったし、確かにここはその策で言ったほうが賢いッス」


「・・・・・では、明日からそうしますか?」



金髪の間から覗く彼女の顔を窺えば、それはこくりと上下に動き。




「――――じゃ、早速明日から頑張るッスか」




やはり少しだけ面倒くさそうに、彼女はそう言ったのだった。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , シリアス   
作品ジャンル:アニメ
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ユイ - 完結おめでとうございます。とても素敵な作品で、最初の方から休まず一気に読んでしまいました。それに、描写がとても綺麗でもあり、妖艶で惚れました。最高です。 (2019年10月20日 10時) (レス) id: 7837a845b7 (このIDを非表示/違反報告)
Physics(プロフ) - 流れるような描写がすごく綺麗でした!読了後に「色は匂へど散りぬるを」の最初の方を読み返して夢主の成長を感じ、色んな意味で強くなったなあ、なんて思ってしまいました。最後に、素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月9日 18時) (レス) id: 28db851a9c (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 完成おめでとうございます!初めて見たけど面白かったです!! (2017年3月26日 18時) (レス) id: 8a0b328429 (このIDを非表示/違反報告)
碧瀬(プロフ) - とても素敵な作品でした。完結おめでとうございます。 (2017年1月29日 1時) (レス) id: 33020b63e9 (このIDを非表示/違反報告)
呪者 - あぁ!高杉むずかしい!完結おめでとうございます!(^^) (2016年8月24日 10時) (レス) id: e80216b179 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/  
作成日時:2015年3月23日 23時

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