一体それとは ページ19
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「――どうにも、本当に色恋絡みのようでした」
――――なんて、私がそんな言葉を発したのは無刹さんの件に色恋が絡んでいることに確信をもった次の日。
・・・今日のところは取り敢えず尋問はなしにして、来島さんと二人で話し合いをすることになったのだ。
苦笑いの私の言葉にため息を漏らした来島さんは「・・・また面倒くさい・・」と。
「・・・・・男女のもつれが一番面倒なんスよね」
「・・私もそれに関しては何もわからないです」
はぁ、と被ったため息。・・・どうしろというのだ。本当に。
「――ま、でもこれでもう少し情報があれば裏切り者もわかるし、いいっちゃいいんスけど」
と、来島さんの言葉に首をかしげてしまった。
「・・・わかるんですか?」
「多分ッスよ、多分。でもある程度・・どの師団の野郎かとかがわかれば、そういう雰囲気の男女ってのは割と周りに知られてるもんッスから」
「・・成程」
じゃぁこれはつまり、幸運だったということだろうか。・・でも、もしそうだとしても。
「・・・・あの、来島さん」
「・・・? 何ッスか?」
・・・やはり、私はそれについて何も知らないわけであって。
「――どんなものでしょうか、色恋とは」
苦笑混じりで彼女に尋ねた。これを使って無刹さんに仕掛けようとも、そもそも私が色恋について何も知らなかったら本末転倒だ。
その問いに対して、来島さんは少し首を捻り。
「・・・・・色恋、っスかー・・・」
なんて言うんスかねー、説明しづらいんスけどねー、なんて困り顔の来島さん。・・・申し訳なさは感じるけれど、他に聞けるような相手もいないし。
「・・どんなもの、なんでしょうね」
言った私に、「あ」と来島さんの何か閃いたような視線が向いた。
「・・・・どうか致しました?」
「・・・・・・いや、何でもないッス」
「でも、今・・。何か思いつかれたんじゃないですか?」
「・・・・・・・・・・・いや、何でもないッス」
――それより!と彼女が声を上げた。
「あれッスよね?色恋っスよね?」
「え、あ、はい」
「じゃあ世間で一般的に言われてるそれを簡単に説明しますから!」
なんだか誤魔化されたような気がするのだけれど・・、・・まぁ、説明してもらえるに越したことはない。
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ユイ - 完結おめでとうございます。とても素敵な作品で、最初の方から休まず一気に読んでしまいました。それに、描写がとても綺麗でもあり、妖艶で惚れました。最高です。 (2019年10月20日 10時) (レス) id: 7837a845b7 (このIDを非表示/違反報告)
Physics(プロフ) - 流れるような描写がすごく綺麗でした!読了後に「色は匂へど散りぬるを」の最初の方を読み返して夢主の成長を感じ、色んな意味で強くなったなあ、なんて思ってしまいました。最後に、素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月9日 18時) (レス) id: 28db851a9c (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 完成おめでとうございます!初めて見たけど面白かったです!! (2017年3月26日 18時) (レス) id: 8a0b328429 (このIDを非表示/違反報告)
碧瀬(プロフ) - とても素敵な作品でした。完結おめでとうございます。 (2017年1月29日 1時) (レス) id: 33020b63e9 (このIDを非表示/違反報告)
呪者 - あぁ!高杉むずかしい!完結おめでとうございます!(^^) (2016年8月24日 10時) (レス) id: e80216b179 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年3月23日 23時