【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

どうする ページ45

(――――･･どうする、とは。)



･･･そんな事を聞いて、彼こそ“どうする”つもりなのだろうか。

･･だって、私がどうするかなんてそんなこと。



「――高杉さんの、意のままに致します」



――――とうに決まっているというのに。

･･･私はその人の道具だもの、当たり前だ。･･しかし。



「･･――やはり、てめェはてめェか」



高杉さんは、愉快そうに笑った。

いつも通り押し殺すような笑い声ではあるけれど、いつもより機嫌良さそうに。



「･･･盲目にも程があらァ」



小さく、彼は呟くと。




「――しかし、嫌いじゃねェ」


「･･･と、仰いますと」


「俺は何も知らねェ阿呆は嫌れェだ。･･･だが」




どこからか、夜の匂いに混ざって春が香った。――桜が芽吹く季節がもう近いのだ、先程も感じた通り。

頭の中が滅茶苦茶に散らかっていた少し前とは違って、今は清々しさまで感じる。




また雲の後ろに隠れた月に一度視線を向けたのち、再び強く高杉さんを見つめていると。





「――どうだ、親を殺した気分は」




発された、その問い。


････親を殺した気分、だなんて。･･脈略がないけれど、高杉さんだ。なにか思うところがあるのだろう。

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