【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

宇宙の真っ暗闇では ページ31

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「――失礼致します」



――地球到着、一日目。

早速お酌に呼ばれた私は春雨の戦艦とは違う横引きの戸――･･高杉さんの部屋の戸を、をすぅと開けていて。




「･･お酌に参りました。･･･入ってよろしいでしょうか」

「構わねェ。入れ」



久しぶりに目にする和室へやけに落ち着きつつ、一歩足を踏み出した。

畳張りのその部屋を窓から月が照らしだして。




「――月はやはり、風流でございますね」


「･･･そうだな」



青白いそれにしみじみとそう言いつつ、彼のお猪口にお酒を注ぐ。


(･･･やはり、地球は･･――――。)


宇宙の真っ暗闇では見ることの出来なかったこんな光景に心が和んでいくのを感じた。･･しかし。




「･･――明日、仕掛ける」



次に高杉さんが発したのは、とても心を和ませている場合ではないような言葉で。――明日。


･･･明日、深津の家へ仕掛けるのか。




「･････とうとうですね。･･私がここへ来てからもう何ヶ月でしょう」


「さァな。･･ただ、あちらさんもかなり焦ってやがる」




てめェの婚約者の方に新しい縁談が舞い込んでるそうだからな、と。

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