【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

形勢逆転 ページ17

「――お前は･･！」




突如現れたその人･･高杉さんに、驚きからか目を剥きつつ私の喉元への力を緩めた駿河様。


その場に崩れ落ちた私は一気に流れ込んできた酸素を思い切り吸い込んで、咳き込んだ。喉がヒュウと音を立てるけれど、安心しているのに変わりはない。



開けたままだった部屋の扉の向こうで煙管を嗜む高杉さんは、いつもの何を考えているのだかわからない瞳を駿河様の方へと向け。




「――――･･春雨は無法地帯だったなァ、確か」



――ゆっくり。･･やはり、彼のペースで。

どんな意味を持つのだかわからない言葉を発した。


独特の緊張感が場を覆う中、ごくりと駿河様が生唾を飲み込んだ音が響く。･･もう少し耳をすませば心の臟の音だって聞こえてきそうなくらいだ。



――と、高杉さんはまた一つ煙を吐き出しながら口を開き。




「･･･ならば、てめェがどこで誰を殺めようと俺の知ったことじゃねェ。･････だが、」



――――自分の鬱憤晴らしに俺の部下殺めようってんならまた話は違ってくらァ、と。

駿河様を見つめつつ言った彼の口元は、微かに弧を描いており。



「････む、無能な･･猿めが･･!!」



眉間に皺を寄せつつ言った駿河様は、どう見ても劣勢だった。

威勢のよさそうなその言葉だってもう負け惜しみにしか聞こえなくて。




――一方。

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