【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

溢れ出しそうな ページ15

「････駿河様」



なんとか押し殺して発した声は低くくぐもっている。

今にも溢れ出しそうな怒りを飲み込みつつ視線を上げ。



「･･――少々、お言葉が過ぎます」



――――抗議にしては弱々しく、怒りを表すにも強さが足りない。

････だけれど、何も言わないままなんて耐え切れなかったから。



今私の根本には高杉さんがいる。私の中心にも彼がいて、何をするにも優先順位の一番上は彼で。


それはもういつの間にか当たり前になっているのだ。どうしようもないくらい、私の中の“常識”に。――――それを貶されたならば、怒りを覚えるのも当然だろう。




･･･駿河様へ視線を向けたままでいた私を、彼も無言で見つめて。






「――･･それが、儂に対する態度か」


「･･･私は事実を指摘したまでです」


「･･そうか、お主もそうか」




ぎらりとその眼が光る。人間のそれとはまた違ったその瞳に怒りの色が浮かんだことを私はぼんやりと見つめていた。





･･･そしてそれが、仇となった。

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