【銀魂】白夜叉さんの恋愛遍歴【坂田銀時】

愛する、恋する、好きになる ページ36

――――例えば、なんて言うんだろう。…別に、まともな恋愛をしたことがないわけじゃないけど。




「――爛れた恋愛を、引きずってるっていうか」


「Aも爛れた恋愛経験者アルカ!?」




きらん、と女王の目が光る。…でも、どうなんだろう。




「……恋愛って言って良いんだかも微妙な関係よ」




――だってあの頃、私とそいつ…銀時との間には、愛だの恋だの、惚れた腫れたなんて感情はなかったから。


…どちらかが相手を好いていたとかそんなんでもなくて、只々お互い忘れかけた人の温みを求めて…、…相手に、縋り付いて。――血の匂いを、消して。




「不純も不純。相手のことは大切に思ってたけど恋愛じゃなくて、爛れた関係って言うのが一番相応しいのよ」


「好きじゃなかったアルカ？その男のこと」


「…好き？」


「昔は好きなんて全く思ってなかったアルカ？」




……女王様は、どうやら何となくその問いを発したようだけど…、…私には、結構な衝撃を与えた。



――好き。好きとは、どういうことだろうか。



…今までは“愛してないし恋もしてなかったからあれは恋愛じゃなかった”と納得してきたけど――“好き”じゃなかったかと聞かれてしまったら、答えはノーで。





「……好き、だったでしょうね」




…それが恋愛的な意味合いでなのか、仲間的な意味合いでなのか。――今となってはもう、知り様がないけど。


――と、そんな私の答えを聞いた女王様が、我が意を得たりとばかりに笑い。




「――じゃ、惚れてたってことアルな！」


「…はぁ？」




恋愛だったかはともかく、Aはその男に惚れてたってことネ！なんて自信満々に。

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