所謂、 ページ4
――――――
――あまり人のいない店内の、最もがらんとしたそこ――座敷席にて、おっさんの如く酒を呷るそいつ。…こちらへ背中を向けたそいつと俺との距離は数メートルであり。
(……気づいてねーのか、はたまた。)
気づいて無視されてんのか。…どちらにしてもあり得るだろう。
――俺とそいつ…Aの関係というのは、お世辞にも綺麗だと言えるようなもんではなく。…所謂、爛れた関係だ。
攘夷戦争時代、長い付き合いってわけじゃねーが一緒に闘っていた俺たちは、いつの間にか一線を越えるような間柄となっており――…、…まァこの話は後か。
――とにもかくにも声をかけてみねェことには始まらねェ、と意を決し。
「――オイ、そこの女ー、両手を挙げて振り返りやがれ」
冗談っぽく言えば「あぁ私ナンパとか興味ないんで」との言葉が返ってきた。…こりゃ、俺が相手だと分かってねーな。
「誰がナンパだボケ。…なんだお前、忘れちまったとか?」
「…はぁ?大体さっきからアンタ誰――――」
――と、ここで漸くこちらを振り返ったそいつは綺麗に固まり。…数秒間、呆けていたかと思うと。
「…し――――白夜叉…!!?」
パクパクと口を動かしながら、言った。…いやアレだよ、言うのはいいよ別に。事実だし。……ただアレだ、アレ。
「…大声で呼ぶんじゃねーよ」
面倒なことになんだろーが、と軽くそいつの頭を叩けば、「なんでいんのアンタ」と今度は小声でそいつが言葉を返してきた。
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ひえい - この作品特に好きです!もっとお話が読みたかった〜! (2016年10月16日 22時) (レス) id: 958d91a48d (このIDを非表示/違反報告)
梛柚圖畄 - こ、これは面白いぞ!!中村さんの作品大好きです!これからも応援してまっす (2015年1月16日 22時) (レス) id: f037178d24 (このIDを非表示/違反報告)
ごまぶちょー(プロフ) - 文才があるとはこのこと…夢主ちゃんの性格好きです!ツンデレっぽくてw 銀さんもかっこいい!更新頑張ってください(*´ω`*) (2015年1月14日 16時) (レス) id: 4b6f2064c5 (このIDを非表示/違反報告)
とまとん - 面白い (2015年1月13日 3時) (レス) id: 45219dddd0 (このIDを非表示/違反報告)
中村@57巻ショック(プロフ) - 皆様コメ感謝です!!私も銀さんは大好きなので書いていて楽しいのですが、銀さんの格好良さがかけているか、不安です(;・∀・) 出来る限り頑張らさせて頂きますので、よろしくお願い致します! (2015年1月11日 23時) (レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月11日 9時