番外編� Г笋呂蠡臺�か ページ37
「――んな顔してんじゃねェよ。看板娘が怯えんぞ」
「今はいねェんで関係ありやせん」
そうかよ、と土方さん。･･･俺は、未だぶちんとした顔をしていたのだが。
「･･･ま、奴もかなりの女だってこった。お前が眠ってる間も一回も泣かずにいたぞ」
「･･･････Aが？」
･･続けられたその言葉に、思わず目を見開いちまった。――Aが、泣いていなかった？
･････俺が知る限り、そいつは決して泣き虫ってわけじゃねェが･･、･･･我慢しつつも、涙がこぼれちまうような奴であり。
そんな奴が人の命の危機に直面して泣かねェ訳がねェと勝手に思っていた。だからかなり泣かせちまったのだろうなと罪悪感を感じたりもしていたのだが。
･･･だが、土方さんはAが泣いていなかったと言っているわけで。
「･････マジですかィ、そりゃ」
「大マジだ。涙はテメェが目ェ覚ました時、泣いて怒れるようにとっとくってよ。･･･住む世界が違くとも、受け入れることはできるっつってたぞ」
「･･んじゃ、もしかして泣いたのは･･･」
「テメェが目ェ覚ました時看板娘が泣いたとしたら、それが初めてだろうな」
――――そりゃ、なんつーか。
「･････大物ですねィ」
「あんまり心配かけんじゃねェぞ」
と、土方さんは先程と同じ言葉を繰り返し。
「･･･どうも、お前に関することじゃ奴はお前が目の前で目ェ開けてねー限り泣かねェつもりらしいからな」
しかし今回は、そんな文句が続けられた。･･･ったく、あいつは。
「いい女捕まえたもんでィ、俺ァ」
「････惚気なら他でやれ」
んじゃ、と土方さんは立ち上がり。
「俺ァ帰るから、精々そのいい女とやら待ちぼうけてろ」
「････けっ」
最後まで気に入らねェそいつと夜までは程遠いことを感じさせる夕日に、俺は舌打ちを一つ零したのだった。
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ぽっぽ - えってぇてぇ、、、すごい胸に来るものがある (4月30日 22時) (
レス) @page35 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 文の構成力とか内容の面白さとか........本当に素晴らしいです！読み込めば読み込むほどその場の風景だったり、人物の感情だったり、様々なことを想像しながら読むことが出来ました！何度も読みたくなる素敵な作品ですね！！ (2018年3月7日 0時) (レス) id: 5f5fd54baa (このIDを非表示/違反報告)
イミテンシヤ - もう！最高でした！純粋なお付き合いが美しい！！主人公ちゃんかわいい！ (2018年2月18日 19時) (レス) id: 1ec0e336fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 沖田さんかっこよすぎました。中村さんのさくひんだいすきですほんと！！これからも陰ながら応援させていただきますm(_ _)m (2017年10月13日 1時) (レス) id: 9b72875a2b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 沖田〜カッコいいよーヤバいヤバいヤバい！!!!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: 8322775854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2015年1月6日 12時
