変な時ばかり勘のいい side沖田さん ページ3
【沖田さんside】
――――何かを考えているかのような表情のAが店の奥へと消えたのを見送って、ため息を一つ。
(・・・悩んでやがったか。)
女ってのはこういうときばっかり勘がよくて困る。・・特にAなんざ、肝心な時にばかり何も分かっておらずこういう時になると感づいちまうんだから全く困ったもんだ。
――まァ、そいつが何に勘づきかけているのかというと。
・・・・・・・・俺の様子が、最近おかしいということだ。疚しいことがあるわけじゃねーが、どうにも調子が悪く。
・・始まりは、アレの日だ。Aと俗に言うデートへ繰り出した例の日。
――あの日、日も落ちかけた頃。俺はそろそろAを帰したほうがいいだろうとそいつを団子屋まで送っていたのだが――・・、・・・その途中・・っつーか、団子屋の寸前で。
そいつは俺の理性をぶち切りやがったのだ。・・・まぁ最初に口付けたのは俺だったが。
――赤く染まった頬、潤んだ瞳、弾む息。・・・・ありありと、思い出せる。
(・・あんな顔見せられちまったら、仕方ねーだろィ。)
・・・・・・理性なんざ、切れちまっても。
――・・・ともかく、それからだ。なんとなく自分に自信がなくなったのは。
今まではそれなりになんとかなるだろうと考えていたが・・しかし。
今の俺には、Aに触れてそのまま何もせずにいられる自信などこれっぽっちもねェ。だが勿論襲っちまうわけにもいかず。・・・・・俺なりに大切にしたくはあるのだ。
・・そんなわけで、俺はここのところ指一本そいつに触れていない。――そして。
珍しく勘のいいAは、何となくそれに気づいちまっているというわけだ。
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ぽっぽ - えってぇてぇ、、、すごい胸に来るものがある (4月30日 22時) (レス) @page35 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 文の構成力とか内容の面白さとか........本当に素晴らしいです!読み込めば読み込むほどその場の風景だったり、人物の感情だったり、様々なことを想像しながら読むことが出来ました!何度も読みたくなる素敵な作品ですね!! (2018年3月7日 0時) (レス) id: 5f5fd54baa (このIDを非表示/違反報告)
イミテンシヤ - もう!最高でした!純粋なお付き合いが美しい!!主人公ちゃんかわいい! (2018年2月18日 19時) (レス) id: 1ec0e336fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 沖田さんかっこよすぎました。中村さんのさくひんだいすきですほんと!!これからも陰ながら応援させていただきますm(_ _)m (2017年10月13日 1時) (レス) id: 9b72875a2b (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 沖田〜カッコいいよーヤバいヤバいヤバい!!!!! (2017年10月12日 17時) (レス) id: 8322775854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月6日 12時