【銀魂】常連さんは紙面のひと【沖田総悟】

やっぱり ページ9

(――あぁ、でも。)



･･･と、すぐに今思ったことをかき消すような言葉が浮かんで。



「･････沖田さんと出会えてなかったら、嫌だなぁ･･･」



あの気だるげな表情を、悪戯っぽい視線を、不器用な優しさを。

･･･知らないままだったら、嫌だなぁ。




――考えてみれば、私が苦しむから出会わなきゃよかったなんてとんでもない自己中心的な考えてあって。



(･･･夜中ってやっぱりナーバスになっちゃうからかな。)



自分のダメさ加減に嫌になってしまいそうだった。




(･････取り敢えず。)


――取り敢えず明日、もしもまた沖田さんが来てくれたとしたら、いつも通りに接しよう。



いつも通り出迎えていつも通り注文を聞いていつも通り団子をだして。･･･そんな、いつも通りを振舞おう。




どうせ私と沖田さんは住む世界が違うのだ。――ならば。


その世界の境界線となっている昼下がりの団子屋で、できる限りのことをしようじゃないか。




そこまで考えて、私はなんだか清々しい気分となった。遠のいていた眠気をひしひしと感じて目を瞑り。


――脳裏に浮かぶその人の影をかき消しながら、眠りの中へ落ちていったのだった。

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