たった一つの不満 ページ48
――――――――――
――お昼過ぎに坂田さんたちと出くわしてから、二時間と少しほどが過ぎて。
・・私たちは今、団子屋までもう数十メートル、というところにいた。・・つまり。
「――――もう、終わりですよね・・」
お出かけの、終了だ。
かなりの寂しさを感じつつ言えば「そーだな」と沖田さんが遠くを見つめながら返してくれる。
「・・・なんだか、一日中付き合ってもらっちゃってすみませんでした」
「何言ってんでィ。どーせそのうち俺から誘う気だったし、早いか遅いかの違いだけしかねーや」
「でも沖田さん、今日は本当に歩いてるだけでしたし・・。・・・退屈でしたよね?」
恐る恐る聞いた。・・実を言うと、今日は特にどこへ行ったというわけではなく。
なんとなく店を冷やかしてなんとなく歩いてなんとなく帰って来ただけなのだ。沖田さんは退屈だったと思う、正直。――だけど。
「何言ってやがる。俺ァてめーといられりゃ満足ってもんだ。大体んなこと言ってるてめーはどうなんでィ」
「私ですか?・・・・そりゃ、ずっと続いて欲しいくらい楽しかったです。沖田さんと一緒でしたし」
「そういうこった。――まァ、今日の中で一つだけ不満を上げるとすりゃ、ねェわけじゃねーが」
「・・・な、なんでしょうか」
まァ、と続いたその言葉に嫌な汗をかきながら返した。・・・何か、気に障ることをしちゃったかな。
・・・・・・でも、沖田さんが続けた言葉は私が危惧していたようなものではなくて。
「――なんで旦那達に関係聞かれたとき、即答しねーんだ」
「・・・・え・・?」
やっぱり、私の予想もつかないような言葉だった。・・・即、答?
「・・即答、といいますと?」
「・・・・・・ずっと悩んでやがっただろーが。ああいう時にゃ『恋人です』っつって返しゃいいもんを」
そこまで聞いて、漸く沖田さんの言っていることがわかった。坂田さんたちに“私は沖田さんの何か”と尋ねられたときのことだろう。
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あやめ - 超面白いです!!総悟が格好良すぎてキュン死するかと思いましたw応援してます!頑張って下さい!! (2015年12月14日 21時) (レス) id: db08f4f67c (このIDを非表示/違反報告)
yuzu - 中村様!!小説家になれますよ!!とっても面白いです!沖田が…もうかっこよすぎてニヤけます^^ (2015年6月22日 22時) (レス) id: da09d3ba5f (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ姫 - 泣けた・゜・(つД`)・゜・総悟カッコよすぎ( 〃▽〃)キュン死ぬ (2015年1月6日 10時) (レス) id: 1fa6b9edbf (このIDを非表示/違反報告)
るー - 萌え死にで吐血します。ぐはっ (2015年1月6日 1時) (レス) id: 9da22ce68a (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇 - 凄くよかったです!泣けました(つω`*)にやけました(*/-\*)← いつも、読ませていただいてます。こんなにいいお話を読ませていただきありがとうございます!総悟のカッコ良さがヤバいです。元々ですが、ヤバいです( ̄・ω・ ̄) 更新楽しみにしてま! (2015年1月5日 2時) (レス) id: 82ca57bbfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2015年1月3日 12時